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■ 緊急レポート――翻訳権ビジネスの内幕

◆翻訳権ビジネスの流れ

一般的な流れ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
翻訳権を専門的に扱う代理店業者がいる。主なところでいうと、タトル
モリエージェンシー、日本ユニエージェンシー、イングリッシュエージ
ェンシーといった会社がある。
海外の出版社が、あるタイトルの翻訳権を日本に売り込もうと思った場
合、タトルモリなどのエージェントに話を持ち込むのが一般的である。
エージェントはこうして売り込まれたタイトルを、買ってくれそうな出
版社に紹介し、契約にいたるまでの様々な交渉、書類手続きなどを代行
するのである。エージェントの収入は、印税など日本の出版社が支払う
額の10%といわれている。つまり、\2,000の書籍の印税が10%(\200)だ
とすると、エージェントに支払われるのは、そのさらに10%(\20)なので
ある。
海外の書籍が日本で翻訳出版されるルートとして、いわば幹線ともいえる
大きな流れは、こうしたエージェント経由のものである。

別の流れ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
S・キングの新作や、クリントン前大統領の自伝といった、メジャーな企
画に関しては、主要エージェントがオークション形式、またはビット方
式で翻訳権をセリにかけることが多い。こうなると、資金的に有利な大
手出版社による寡占状態が起こりやすい。中小出版社にとっては、翻訳
権が欲しくとも手が出ないという事態が生じるのである。
しかし、この様な状況を打ち破ろうと、エージェントからの紹介を「待
つ」のではなく、自ら翻訳権を「買い」に出る、果敢な中小出版社も存
在する。
翻訳権ビジネスはエージェントへの依存度が高く、経験とコネが必要条
件といわれている。だが最近では、こういった中小出版社自らが掘り起
こした翻訳物にもヒット作が出始めてきているという。
「エージェントが扱う点数が割合的に大きいとはいえ、世界中の出版物
の数から見ればそれはごく小さな数でしかありません。気概があれば、
チャンスはいくらでも広がっている、といえるのです」(TranNet 近谷
次長)。
因習にとらわれがちな出版界ではあるが、新たな流れは確実に生まれ始
めているのである。

◆気に入った作品を自分で翻訳し出版することは可能か?

自分が気に入った作品を、いつかは自分の手で翻訳し出版したいと思っ
ている翻訳者が多いという。しかしそれを実現するためには、いくつか
の高いハードルが待ち構えている。
「答えを最初にいってしまうようで申し訳ないのですが、出版翻訳の経
験、コネのない翻訳者の方が、全て自分の手で行おうとするのは無理が
あるのではないでしょうか」(TranNet 高野社長)という状況だ。
しかしその半面、「出版社サイドはエージェントのタグ付きでない翻訳
者からの持込企画を歓迎している」(高野社長)ことも事実で、チャン
スがないわけではない。
では、何が難しく、その対策はないのか。そのあたりをレポートしたい。

翻訳権の確認
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「この本を翻訳したい!」。夢の実現に向けまず確認したいのが、既に
どこかの出版社にその本の翻訳権が握られていないかということである。
しかしこの確認作業は実はかなり難しい。
「出版物を翻訳した実績がある方ですと、付き合いのある編集者やエー
ジェントに照会してもらうという手があります。しかし、そういうコネ
のない方の場合、この版権を調査することは難しい、というよりも調べ
るのは不可能に近いでしょうね」(近谷次長)。
つまり、誰もが閲覧できる形での「翻訳権データベース」などというも
のは、日本には存在しないのである。
従ってこの段階では見切り発車を余儀なくさせられるとお考え頂きたい。

企画書を作り、売り込む
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
出版物を翻訳した経験はない、ましてや編集者に知り合いなどいない、
という状況で翻訳→出版までもっていく手はないのだろうか?
「出版企画書を自ら作成し、出版社―編集者に送るという方法がありま
す。但し出版企画書はただ書けばいいというものではありません。問わ
れるのは、自分が翻訳したい本の特性をよく理解し、食指を動かしそう
な出版社はどこかを知る〈調査力〉。読者は誰で、どの様なプロモーシ
ョンが有効かを考える〈企画力〉。そしてそういった要素を、企画書上
で的確に伝える〈日本語能力〉を持ち合わせているかということです。
編集者はただでさえ忙しく、持ち込み企画に目を通すケースは極めて少
ないのです。ですから、編集者が企画書を読む、その数少ないチャンス
をものにする力が必要となるのです」(近谷次長)。

最後には翻訳者としての能力が問われる
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
さて、めでたくも、持ち込んだ企画が認められ、ずっとお気に入りだっ
た作品の日本での翻訳出版が決まったとしよう。しかし、だからといっ
てこの企画を立てた翻訳者に、翻訳の依頼が届くとは限らない。
「そのあたり編集者はシビアです。『翻訳者はオーディションで決めた
い』といわれ、企画を持ち込んでくれた方が落ちた、ということがあり
ました」(近谷次長)。

〈つづく。次回は・・・〉

●新たな試み―TranNet
◆TranNetブックレビュー
◆リーディング
◆海外版元―翻訳者―国内出版社の環(わ)


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