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 ■時代とともに変わる翻訳タイトル

昔、編集部にいたことがあります。入社したての頃、先輩たちの編集作
業をいろいろ手伝っていました。その時、大きい図書館に行って文学全
集の目次を写し、本文とあっているか確認してくる、という地味~な作
業がありました。そのあとには、調査したデータを全部リスト化し、あ
れこれ並べ直してはいろいろチェックする、という、さらに地味な作業
がありました。そうして出来上がったのが「世界文学全集綜覧シリーズ」
です。この時携わったのは大正15年から刊行の始まった『世界文豪代表
作全集』から昭和59年頃までに刊行されたいろいろな世界文学全集の総
索引作りで、この時おびただしい数の作家名・作品名・翻訳者名を目に
することになりました。

この仕事をしていて、文学には興味のない私が面白いと思ったのは、タ
イトルの付け方や固有名詞の表記の仕方です。たとえば、「シャーロッ
ク・ホームズ」シリーズの中の“Red-Headed League”、今ではたいて
いの翻訳本に「赤毛組合」というタイトルで載っていますが、
  昭和3年刊 改造社『世界大衆文学全集』(延原謙訳):赤髪聯盟
  昭和36年刊 河出書房新社『世界文学全集』(阿部知二訳):赤髪連盟
  昭和39年刊 東都書房『世界推理小説大系』(宇野利泰訳): 〃
  昭和34年刊 平凡社『世界名作全集』(鈴木幸夫訳):赤毛連盟
  昭和36年刊 中央公論社『世界推理名作全集』(田中西二郎訳):赤毛組合
となっていて、訳語や表記の変遷がみられます。「シャーロック・ホー
ムズ」も昭和3年の本では「シヤアロツク・ホウムズ」と書かれていて、
時代を感じます。

今では「赤毛」という言葉は別に珍しくありませんが(「赤毛のアン」
のおかげ?)、きっと初めて翻訳した人は「赤毛」という言葉を思いつ
かなかったんだろうなぁ、日本人の「黒髪」を「黒毛」とは言わないし
‥ などといろいろ想像します。

近頃は、翻訳書や外国映画のタイトルに原題をカタカナ表記にしただけ、
というものが増えています。もちろん、訳者やそれを読んだり観たりす
る現代日本人の感性が変わってきているからなのでしょうが、なんだか
違和感を感じるのは私だけでしょうか?
                             (み)
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