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 windowの語源は、古期スカンディナヴィア語のvindaugaに由来すると
いう。これはwind(風)を意味するvindrとeye(目)を表すaugaの合成
語である。元々、通風や採光のために屋根や壁面に開けた穴を指し、そ
こから室内に風が吹き込むのでwind-eyeと呼ばれたらしい。

 本書は、風土や習慣の違いから馴染みのない異文化の一つとして「窓」
を取り上げ、イギリスの窓について、建築学的意義に触れつつその文化
史を詳説したものである。数多くの写真やイラストを添えた上で、詩・
童謡・童話・小説・戯曲・エッセイ・紀行文など実際の文学作品からの
引用で構成されている。紹介した窓の種類は40点を越え、その名称は
330点、窓の周辺用語は360点余りに及ぶ。補遺として「部屋の間取りと
窓」「窓にまつわる習慣と表現」なども収録されている。

 窓は多種多様で、その周辺用語は多岐にわたる。様々な形で文学作品
に登場するが、英和辞典はもとより英英辞典にさえ掲載されていないも
のも少なくない。blind window(盲目窓)、bull's-eye glass window
(牛の目窓)、chimney window(暖炉窓)など、単語の意味から形状を
推し量ることは困難だろう。当ビジュアル事典の面目躍如といったとこ
ろである。

 興味深いのは、1696~1851年までWindow Tax(窓税)があったことだ。
エリザベス朝時代、ガラスは大変高価な贅沢品で、税金の対象になった
という。当初、窓が六つまでは無税、それ以上が課税された。課税対象
は家屋の所有者ではなく、その居住者であり、中流階級には荷の重い措
置だった。税を払えない者は窓を塞いでblind windowにする例もあった
という。

 たかが窓、されど窓。窓を通して異文化の輪郭がみえてくる。三谷先
生の英国フィールドワーク研究の集大成でもある本書がイギリス文学の
みならず、その文化全般を理解するための背景的知識として、文字通り
「wind-eye」となれば幸いである。
                             (竹)
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