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■翻訳業界雑記 第5回 出版分野             吉野 陽

さてこれまで実務分野、映像分野についてご紹介いたしましたが、今回
は出版分野について。

実務、映像にはトライアルというものが存在していますが、出版分野に
ついては皆無に等しいようです。出版社ではトライアルを実施する手間
や時間が取れないということもあるようです。

それでは新人はどのように参入していけばよいのか。ここでのキーワー
ドは「リーディング」です。

リーディングとは、出版社が出版の可否を判断する本の紹介文(シノプ
シス、レジュメ、梗概などと呼ばれています)を作成する仕事です。紹
介文といっても、読書感想文や評論ではありません。出版の可否を判断
するわけですから、作品のあらすじ、周辺情報、評価、所感などをまと
めます。順番に見ていきましょう。

●あらすじ
細部にこだわらず、全体(もちろん結末まで)が伝わるように書きます。

●周辺情報
作家のプロフィール、作品の版元、発表年、書評誌でのコメントなどを
簡潔にまとめます。

●評価
主観的な評価ではなく、同ジャンルの他作品と比較し、客観的・多角的
に評価します。

●所感
日本の読者に受け入れられるかどうかも考慮しながら、作家が作品を通
して訴えたいものは何か、そのために工夫されているものは何かなど客
観的な感想をまとめます。

これらを盛り込んだシノプシスを作成するには作品を読み込む力やスピ
ード、出版業界の動向、出版物の背景知識、そして説得力のある日本語
力が必要になります。もちろん業界の動向をつかんだり、他作品との比
較を行うためには読書量の多さが物を言います。一昔前まではリーディ
ングは新人に、翻訳はベテランにという傾向が強かったのですが、現在
では優れたリーディングをした新人にそのまま翻訳もお願いするという
ケースも増えているようです。

しかし翻訳の依頼を狙って作品をベタ褒めするのは考えものです。シノ
プシスは一般読者が読むのではなく、出版社の方が読むわけです。出版
社にとって読み応えのある面白いリーディングとは、作品のベタ褒めや
中傷ではありません。たとえ面白くない作品でも、客観的な視点で分析
し、説得力を持たせたシノプシスが出版社にとって価値のある情報にな
ります。翻訳に繋がらなかったとしても、説得力のある優れた日本語力
や業界を熟知した深い調査能力が評価されて次のリーディングや翻訳に
繋がっていきます。

◆さりげなくアメリア
リーディングのより詳しい内容は以下のページで一般公開されています。
編集者やベテラン翻訳家の生の声も読むことができます。会員以外でも
閲覧可能ですので是非ご一読ください。

 http://www.amelia.ne.jp/user/reading/paper02_01.jsp

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