忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 ■ 翻訳業界雑記 第35回 スキャンレーションの功罪   吉野 陽

 以前にマンガ翻訳について取り上げたことがございましたが、その後も
 市場規模は拡大を続け、翻訳されている作品タイトルも数を伸ばしてい
 るそうです。

 さてそんな活況なマンガ翻訳ですが、ちょっとした問題を抱えています。
 それは「スキャンレーション(scanlation)」というものです。

 スキャンレーションは、元のマンガをスキャナーで読み取り、翻訳した
 台詞で書き換えて加工するところから「scan」と「translation」を組
 み合わせてこのように呼ばれています。スキャンレーションはコミュニ
 ティサイト上でグループで翻訳しているものが主流で、中には校正、校
 閲など担当を決めて進めているものもあり、なかなか本格的で驚きます。
 しかし個人で楽しむならまだしも、加工したものを無断でインターネッ
 ト上に配布しているので当然違法な行為になります。

 スキャンレーションが行われるようになったのは市場が拡大した最近の
 ことではなく、それほどマンガが海外に広がる前にも行われていました。
 正式な出版ライセンスを翻訳出版社が獲得した時点で公開を終了すると
 いう暗黙のルールが当初にはありましたが(もちろん無断で行われてい
 る以上は違法に変わりありません)、最近は正規の翻訳出版後も入手可
 能な状態が続くものも出ているそうです。

 もちろん出版社としても規制する動きを見せているものもあります。し
 かし積極的な規制の動きを見せない出版社も存在しているようです。そ
 れは一体なぜなのか。

 スキャンレーションの対象となるのは、マンガであれば何でもというわ
 けではありません。現地語が分かるファンがコミュニティサイト上など
 で対象のマンガを紹介し、人気が高ければ次第にスキャンレーションす
 るチームが作られていくという流れがあります。

 つまり翻訳を手掛ける出版社から見れば、スキャンレーションされてい
 るかどうかをチェックすることで、人気の未訳マンガの情報を得ること
 ができ、またスキャンレーション自体が一種の宣伝効果にもなっている
 というのが理由のようです。

 日本文化の象徴のひとつであるマンガが世界に広がるのはうれしいこと
 ですが、どんなにメリットがあっても法的な問題を抱えている以上、や
 はりこのまま見過ごすことはできません。マンガ輸出大国である日本と
 しても、もっとこの問題に目を向けてゆくべきかもしれません。

                   (アメリア事務局 吉野 陽)
              http://www.amelia.ne.jp/userTop.do

PR
この記事にコメントする
Name:
Title:
Mail:
URL:
Color:
Comment:
pass: emoji:Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
最新CM
[12/09 山本ゆうじ]
[12/07 Lisa Hosoi]
[09/29 NONAME]
[09/29 NONAME]
[03/13 エラリー]
カレンダー
10 2019/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
カウンター
忍者ブログ [PR]
Copyright(C) TranRadar(トランレーダー)ブログ All Rights Reserved