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 ■ G20ロンドン・サミットへの期待           田村 洋一

  ほとんど経済恐慌と言ってもよいくらいの世界規模の景気後退の中で、
 翻訳業界にも影響が出始めています。クライアント企業は徹底的なコス
 ト削減を迫られ、新規発注を手控えたり、発注先を減らしたりしている
 ようです。海外企業が日本市場から撤退したり、日本企業が海外市場か
 ら撤退したりするケースもあり、これらもマイナス要因です。さらに印
 刷メディア全般の長期低落傾向と、それに代わるネット系メディア/コ
 ンテンツの今後の伸びが翻訳業界に与える影響も、見通しはまだ不透明
 です。なにぶん欧米の大手金融機関が事実上国営化され、自動車の「ビ
 ッグ3」という表現が死語になるかもしれないという状況ですから、私
 たちもしばらくは我慢を強いられることになるでしょう。

  破綻した世界経済を再び軌道に乗せるために何をなすべきかが「G20
 ロンドン・サミット」の大きなテーマです。実質的な会期は4月2日の1
 日だけで、討議するというよりは世界のリーダーが一堂に会して決意表
 明をするところに意味があります。会合に向けての根回しは周到で、例
 えば日本では2月に「日英21世紀委員会・第25回会議」が開かれたこと
 や、2月13日に公表された日本のIMF(国際通貨基金)に対する1000億ドル
 もの巨額融資も、その一環と考えられます。既に3月29日付で今回のG20
 サミットのコミュニケ草稿が公開されており、この私の小文が公開され
 るころには決定版が発表されていることでしょう。

  このG20サミットを主催する英国首相Gordon Brown氏は自他ともに認
 める経済通ですから他国からの期待も大きく、腹心の蔵相Alistair
 Darling氏ともども、具体的な成果を目指して大変な力の入れようです。
 米国のBarack Obama大統領にとっても初の国際的な大舞台で、その発言
 が注目されます(例のスピーチライターは経済問題にも明るいのでしょ
 うか?)。今回、IMFや世界銀行が誕生するきっかけとなった1944年のブ
 レトンウッズ(Bretton Woods)会議の再来を望む声が多い反面、多くを
 期待しすぎてはいけないという声もあります。しかし、著名な投資家
 George Soros氏が言うように、このG20サミットは「a make or break
 event」であり、失敗すればさらに深刻な事態を招くことは明らかです。

  このような大きなイベントは、経済問題について考えてみる良い機会
 になるのではないでしょうか。例えば、「tax havens」の実態は?
「fiscal stimulus package」と「財政出動」は同じニュアンスなのか?
 各国政府は数千億ドルもの景気対策資金をどこから調達するのか?
 …等々。少し調べてみると日銀の「銀行券ルールと長期国債の買い入れ
 限度」などという問題が出てきて、金融政策の難しさと奥深さを実感し
 ます。白川日銀総裁が自ら「中央銀行として異例の対応」をしていると
 述べているように、現状はいわば手探りに近い状況のようです。

 ●G20ロンドン・サミットについて:

  日本政府の表記は「第2回金融・世界経済に関する首脳会合」で、
 2008年11月に米国ワシントンD.C.で開催された第1回首脳会合の続編と
 いう意味。G20サミットに先立ち、ロンドンでG20財務相・中央銀行総裁
 会合が開催され、3月14日にコミュニケが発表されている。

  G20は「Group of Twenty」の略称で、正式には「G-20」と書く。条約
 などで規定された会議ではないという意味で「an informal forum」と
 称する。通常のG20会合のメンバーは、G7(カナダ、仏、独、伊、日、英、
 米)、G7以外の主要12カ国(アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、
 中国、インド、インドネシア、韓国、メキシコ、ロシア、サウジアラビ
 ア、南アフリカ、トルコ)、およびEU(欧州連合)議長国(現在はチェコ)
 の財務相と中央銀行総裁。さらに、ECB(欧州中央銀行)総裁、IMF専務理
 事、IMFC(国際通貨金融委員会)座長、世界銀行総裁、IMFと世界銀行の
 合同開発委員会(Development Committee)座長が出席する。

  今回のロンドン会合では、上記20カ国(EUを含む)のリーダー、国連事
 務総長、ASEAN議長国タイとNEPAD議長国エチオピアの代表、EC(欧州委
 員会)委員長も参加することから「サミット」と呼ばれることになった。
 英紙The Guardianによれば、参加国全体で世界のGDPの90%、貿易高の
 80%、人口の64%を占める。

 ●参考リンク
 ・G20公式サイト:
  http://www.g20.org/
 ・英国政府のロンドン・サミット公式サイト:
  http://www.londonsummit.gov.uk/en/
 ・IMF - A Guide To Committees, Groups, And Clubs:
  http://www.imf.org/external/np/exr/facts/groups.htm
  ※先進国主体のG5、G7、G8、G10、G20、G22、G30、G33と、これらと
   は異なるG15、G24、G77などの説明。
 

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