忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 ■「Netbook」を辞書専用PCとして使う
                                                       田村洋一

  前回はパソコン(以下、PC)からアクセスできる新しいタイプの電子辞
 書(辞書専用電子機器)を紹介しました。利用価値は高いものの、「英辞
 郎」のような自主制作の辞書、自作を含む専門分野の用語集、英語-他
 言語/他言語間の辞書(タイ語、ラテン語、カタラン語、等々)、詳細な
 地図などを必要とする専門家にはまだもの足りません。電子辞書コンテ
 ンツはバックアップできないので、故障や紛失のリスクが大きいことも
 気になります。そこで、自分のメインPCに必要なCD-ROM/DVD版の辞書類
 をインストールするわけですが、オールインワンには問題もあります。
 デスクトップPCに匹敵する高性能ノートPCはどこにでも持ち運べますが、
 結構かさばるだけでなく消費電力が大きく、外出先での紛失・盗難によ
 りクライアントの情報が危険にさらされる危険があります。一方、私の
 ようなデスクトップPC利用者が、自分のオフィス以外で仕事をするとき
 でも自分の辞書類だけは持ち歩きたい、ついでにメモ程度のテキスト作
 成や原稿のチェックも…と考えるのは自然です。ミニノートPC(通称:
 Netbook)を辞書専用PC+αとして使えば実用性がありそうです。今回は、
 このNetbookを使用し、必要に応じてデスクトップPCからもアクセスで
 きる構成を考えてみましょう。

  その前にNetbookの意味を確認しておきます。NetbookはOLPCプロジェ
 クトの「$100パソコン」に刺激された台湾のASUSTeKが2007年に「Eee
 PC」として初めて製品化し、2008年には不況下でも大ヒット、いまでは
 10社以上が販売する1つの製品ジャンルとなった低価格、小型、低消費
 電力の携帯型PCです。厳密な定義はありませんが、超低消費電力のプロ
 セッサ(主流はIntel Atomプロセッサ)を搭載し、メモリーは最大1GB、
 内蔵ディスクは低消費電力のSSD(solid state drive)か2.5"HDD、ノー
 トPCよりも小さな画面(10.2"以下)、というような機器構成の制約(PC業
 界の紳士協定に近い)があります。これに関連して日本のPCメーカーや
 一部のメディアから「NetbookはWebアクセスとEメール程度にしか使え
 ない」という宣伝がまことしやかに流されました。しかし、そんなこと
 はありません。NetbookはWindows XP HomeやLinuxが動く普通のPC(PC/AT
 互換機)です。ただし、簡素な機器構成のため、既存のノートPCにあり
 がちな「あれも、これも」という欲張った使い方には不向きで、割り切
 った使い方をするのがコツです。その一つが「辞書専用PC」というわけ
 です。なお、Linux対応の辞書類が少ないため、ここではWindows XP Home
 搭載機の使用を前提とします。

  以下は辞書専用PCの機器構成の一例です。いかにもNetbookらしい
 ASUSTeKの製品を選びました。3万円台の「Eee PC 701SD-X」でも機能的
 には大差ありません。NetbookではOSがディスクの約3~4GBを占有しま
 す。この製品ではCドライブはOS専用と考えるべきです。

 1)ハードウェア(ASUTeK Eee PC 901-X):
  ・プロセッサ=Intel Atom N270(1.6GHz)
  ・メモリー=1GB(※2GBに交換可能)
  ・ディスプレイ=8.9"ワイド(1024×600画素)
  ・内蔵ディスク=SSD(Cドライブ=4GB/Dドライブ=8GB)
   ※DドライブのSSDを32GBモジュール(Buffalo製)に交換
  ・LAN=100BASE-TX、IEEE 802.11b/g/n
 2)ソフトウェア:
  ・OS=Microsoft Windows XP Home SP3(※標準)
  ・追加ソフト=Venus7.0 Personal Edition
   ※リモートコントロール用シェアウェア(\1000程度)
  ・必要な辞書類(辞書ブラウザと辞書データ)
  ・好みのWebブラウザとメールクライアント(※必要な場合のみ)
  ・必要最小限のアプリケーション
   ※OpenOffice.org、テキストエディタ、等

  Netbookに自分が必要とする辞書類(辞書ブラウザと辞書データ)をイ
 ンストールする方法は一般のPCと同じです。ここで2つのポイントに留
 意する必要があります。第1に、ディスク容量の制約です。辞書をイン
 ストールする場合、リムーバブルディスク(SDカードやUCBメモリー)で
 は不都合を生じる場合があり、内蔵ディスクにインストールすることに
 なりますが、上記の標準構成ではSSD(Dドライブ)の容量が不足するおそ
 れがあるため、オプションでSSDを32GB(または64GB)に交換します。辞
 書専用PCとするNetbookにハードディスク(HDD)ではなくSSDが適してい
 る理由については注記を参照してください。第2に、辞書ブラウザ(ビュ
 ーア)をなるべく統一することです。これはディスク容量と実行時のメ
 モリーの節約になります。

  辞書類をインストールしたNetbookをメインPCと2台並べて使うだけで
 は生産性のメリットはありません。前回の電子辞書のように、オンライ
 ンでメインPCからNetbookにアクセスできれば作業能率は向上します。
 そのために必要なのはリモートコントロール用ソフトウェアです。2台
 のPCの接続は電子辞書の例のようなUSB接続ではなく有線/無線LAN経由
 になります。

  Microsoft Windowsでは標準で2種類のリモートコントロール機能が提
 供されています。1つは「Windows Remote Desktop Connection」で、
 Windows NT以来のThin-client(シンクライアント)運用向けのWindows
 Terminal Serviceの仕組みをデスクトップPCで利用できるようにしたも
 のです。「クライアントPC」から「ホストPC」にアクセスして、ホスト
 PCを自由に操作できるのでここでも使えそうですが、ホストPCはWindows
 XP ProfessionalまたはWindows Vista Business以上でなければならず、
 Netbook(Windows XP Home)はホストPCにはなりません。もう1つの機能
 は「Windows Remote Assistance」です。本来は「Expert」(上級者)と
 呼ばれるシステム管理者やヘルプデスク担当者が「Novice」(依頼者)と
 呼ばれるエンドユーザを支援するための機能で、メインPCからサブPC
 (ここではNetbook)をリモートコントロールできます。しかし、インタ
 ーネット経由や大規模な社内LAN/WANでの利用を前提としているため接
 続の設定や操作が面倒で、辞書専用PCにアクセスする目的には煩雑すぎ
 ます。

  私が調査した限りで今回の目的にぴったりなソフトは「Venus7.0
 Personal Edition」というシェアウェアです。簡単な操作でLAN上のメ
 インPCから辞書専用PCを操作できるだけでなく、双方向でクリップボー
 ドを共有してテキストなどのコピー&ペーストができ、ファイルの複写
 も可能です。なお、企業環境で使用する場合はセキュリティ要件を満た
 せるかどうか事前にチェックする必要があります。

 実際にどの程度使えるものか、試してみてください。

 ●注1:辞書専用PCにSSDが適する理由:
 SSD (solid state drive)は、USBメモリーなどと同様の半導体フラッ
 シュメモリー素子を使用してハードディスク(HDD)の機能を代替する記
 憶装置です。
 2.5"HDDの数分の1という低消費電力(一例では、動作時150mW/アイドル
 時60mW)、 優れた機械的強度、HDDより優れた高速読み出し性能という
 長所がある一方、 フラッシュメモリー素子の宿命である「書き替え可
 能回数」の制約という短所があります。SSDのメモリー素子は数十万回
 ~100万回の書き替えで劣化し、回復不能のエラーが発生します。特に
 問題になるのはOSの作業領域です。つまり「寿命がある」ということで、
 一般的な使用状況では数年といわれています(エラーが発生したセクタ
 ーをScanDiskで切り替えればSSDの使用は続けられますが、データは破
 損します)。SSDの寿命を伸ばすにはNetbookを酷使しないことです。メ
 モリーを使い切るほどのアプリケーションを同時に実行したり、データ
 量の多いWebページに頻繁にアクセスすることは勧められません。その
 点、辞書専用PCとして使う場合は処理能力に余裕があり、データは読み
 出し主体で書き替えが少ないのでSSDの寿命をあまり気にする必要がな
 く、高速性も活かせます。
 
 ●注2:辞書のライセンスの問題:
  一般に、辞書などをサーバーにインストールして複数のユーザーが共
 有使用する場合は特別のネットワーク・ライセンスが必要です。しかし、
 ここで考えているのは1人のユーザーが同時に2台のPCを利用する場合で、
 2台のPCの一方が制御を奪われた状態では2人が同時に辞書を利用するこ
 とはできないので、ライセンスには抵触しないと考えていいでしょう。
 

PR
この記事にコメントする
Name:
Title:
Mail:
URL:
Color:
Comment:
pass: emoji:Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
最新CM
[12/09 山本ゆうじ]
[12/07 Lisa Hosoi]
[09/29 NONAME]
[09/29 NONAME]
[03/13 エラリー]
カレンダー
10 2019/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
カウンター
忍者ブログ [PR]
Copyright(C) TranRadar(トランレーダー)ブログ All Rights Reserved