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■ 「ことば」について

国をあげて、小学生から英語を学習させようという動きが加速しています。
既に公立の小学校の大部分では、英語を教える時間が何らかの形で設定
されており、必修科目化も検討されているようです。
そういえば故小渕首相の「英語公用語論」などというものが、かつてあ
りましたが、これはその流れなのでしょうか?

一方で、国語力の低下も問題になっています。日本語で書かれた文章か
らキチンと意味を汲み取ることができない、まともな文章が書けない日
本人が増えており、皮肉なことに、大学生に「日本語」を教える授業が
広がっているといいます。

日本語をおざなりにしてでも英語教育に力を入れる、とは政治家も官僚
も決して言わないでしょう。が、どうも本末が転倒している気がします。

さて、以下に紹介するのは私の友人のシンガポール人の「つぶやき」です。
多民族国家として、経済立国として輝かしい国家運営を行っているシン
ガポールを貶める意図は全くありません。
但しそこには、歴史と伝統によって堆積された自国語を持たない民の、
肩肘張った末の疲労感がみてとれます。

「英語教育熱」を横目で見ながら思うのです。
あまりに日本語(自国語)が身近すぎて、自国語で読み、考え、伝える
ことのできる有難味を、我々は軽視しすぎているのではないか、と。

今後ときどき、「ことば」について考えてみたいと思います。
どうぞ宜しくお願い致します。

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『夢は何語で見るの?』

夢は何語で見るの?と尋ねられて悩む人はあまりいないでしょう。
少なくとも、日本で生まれた日本人の中には。

ところが、福建系シンガポーリアンのキー・ナイセン(45)は、息子に
そう尋ねられて、絶句しました。
英語?いやいやマンダリン(北京語)?、それとも福建語?
自問自答するのですが、どれもしっくりきません。
あれ?ボクはこの年になるまで、何語で夢を見てきたんだろう。
少しおどけて、そう答えるのが精一杯でした。

祖父母が福建省からの移民だったキーの場合、子供時代は福建語が家の
中の共有語でした。いまでも、年老いた両親と話す時には福建語を用い
ます。
そして学生時代はマンダリンと英語を使い学科の勉強をしました。
ところで現在、広東系の女性と結婚したキーは、家庭では英語で会話を
して暮らしています。何故なら彼は広東語が話せないからです。
職場(日系企業)でも英語で通しています。

一人息子は器用なものです。
華人系シンガポーリアンとしてマンダリンを操り、父方、母方の祖父母
と話をするときには、福建語、広東語を話します。
おまけに両親の世代とは違い、英語も英米の若者と大差ないボキャブラ
リー数、発音をものにしています。
息子の成長は嬉しいのですが、しかし、英語の言い回しや、発音を息子
に直されると、キーは何ともやりきれない気持ちになるときがあります。

キーの会社の日本人スタッフは、英語・中国語が話せるシンガポール人
のことを羨ましがります。
しかし、とそんな時、キーは思うのです。
会話が出来る出来ないかではなく、その言語でどれだけ深く知識が得ら
れ、どれだけ深く人と分かり合えるかが重要なのではないか、と。
その意味では、自分の福建語、中国語、英語はいずれも中途半端な気が
するのです。

さて、ある朝目覚めたとき、キーは苦笑いしました。

自分の夢は、ばあちゃんとは福建語、妻とは英語、そして旧友とはマン
ダリン、と登場人物ごとに話す言語が違う《マルチリンガル劇場》だっ
たことに気づいたからです。

そして傍らの妻の寝顔を眺めながらつぶやきました。

「キミは今、何語で夢をみてるんだい?」と。

                             (青)


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