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■ 仕事としての翻訳                  井口 耕二

 ◆ビジネスの流れ

 ●受注の仕方

 前回、前々回のメールマガジンでは、打診から受注で以下の項目がポイ
 ントになると紹介し、下記の1~4について説明しました。

 1. 自分の翻訳速度を正確に把握しておく
 2. 量が多い場合は減らしてもらう、または断る、という勇気を持つ
 3. 原稿を見て、その難易度と翻訳量を見積もる目を養う
 4. 専門分野を持ち、なるべくその分野の仕事に集中する
 5. 翻訳スピードを高める工夫をする

 今回はその続きです。

 5. 翻訳スピードを高める工夫をする

 限られた時間である程度の量をこなすためにどうしても必要なのが、ス
 ピードアップです。詳しくは別項目でとりあげるので、ここでは、「安
 易にスピードアップだけを狙わないこと」という点だけ頭に入れておい
 てください。

 おいおい、必要なのに狙うなってどういうことだよと思いますよね。

「安易にスピードアップだけを狙う」というのは、翻訳支援ツールなど
 と呼ばれるものを導入し、訳文を考える部分で楽をしてスピードを上げ
 る道のことです。「ステップアップ-大量翻訳者 vs. 高品質翻訳者」
 でも触れましたが、こちらに進むと短期的には収入が増加しますが、高
 い単価をとれる力が身につかず、長期的には収入も頭打ちとなります。
 逆に、品質を追求するためによく考えて訳していると、そのうち、瞬間
 的に判断できる部分が増え、自然とスピードが上がってきます。

 結局、自然にスピードが上がってくるのを待つしかないのかというと、
 そうでもありません。

 頭よりも手がものをいう部分については、ツールの導入やソフトウェア
 の機能活用でスピードアップが図れます。具体的には(↓)の部分です。
 ・辞書引き
 ・文字入力
 ・単語やフレーズのコピー

 今は基本的にビジネスの流れを説明しているところなので、詳しくは別
 項目でとりあげます。

 ●仕事の断り方

「断る勇気を持ちましょう」と繰り返し書いていますが、これに付け加
 えて一言。

「できません」の一言で断らないこと!

 後につながる断り方を工夫しましょう。

 まず、「申し訳ありませんが~……」といった言葉は必須です。あなた
 が断れば、コーディネーターは次の人に連絡しなければなりません。そ
 れが仕事だといえばそのとおりですが、そこはそれ、人間がやることで
 すから気遣いが必要です。

 打診された仕事が分野違いなら、「私はこれこれこういう分野が専門で
 す。今回のお話は分野が違いすぎて難しいと思います」とでもするべき
 です。量が多すぎる場合も、「このくらいの量であれば可能です。分割
 はできませんか?」とか、「納期をいついつにしてもらえれば可能です
 が……」という具合にした方がいいでしょう。

「やる気がある」ことと「こういう条件ならできる」ということをアピ
 ールしておくのが大事です。

 コーディネーターも人の子です。断られても、なんかいい感じの人だっ
 たと思えば、また、声をかけてくれることでしょう。ただし、いったん
 受注して訳文を納品すれば、品質が一番の問題になります。いいものを
 納品しましょう。

 場合によっては、連絡がうまくできないでいるうちに他の翻訳者に仕事
 が行ってしまったり、結局ジョブ自体がなくなってしまったりすること
 もあります。携帯電話へ電話やメールを転送するなどの工夫をしていて
 も、タイミングが悪くて連絡できないこともあります。

 こういう場合も、後のフォローが大事です。フォローを電話でするにせ
 よメールでするにせよ、連絡がとれなかったことの謝罪は必須です。久
 しぶりに連絡してくれた翻訳会社であれば、得意分野などのアピールや
 近況などをさりげなく付け加えるのもいいでしょう。ただし電話の場合
 は相手の様子しだいで臨機応変に。先方がとても忙しい状態なら、要点
 だけでさっと切り上げた方が印象はいいはずです。電話の向こうから伝
 わってくる気配に注意しましょう。

 ●早い者勝ちのジョブマッチング

 コーディネーターが案件に合う翻訳者を選んで打診するという形でマッ
 チングを行うのが普通ですが、最近は、早い者勝ちのジョブマッチング
 も存在します。ウェブサイトにアップロードされたジョブに対し、最初
 に「やる」と手を上げた人のところにジョブが行くという形です。

 多様な仕事の流れがあれば時々に応じて都合のよいパターンを選べるの
 で、多様化は基本的にいいことなのですが……プロの翻訳者として身を
 立てて行くつもりなら、早い者勝ちのジョブマッチングによる受注はな
 るべく早くに卒業することをお勧めします。

 やめた方がいい理由はふたつあります。

 最大の理由は安いこと。少なくとも私が知っているところは、まともに
 食べて行ける単価ではありません。安い仕事を大量にやろうとすれば翻
 訳者として伸びられなくなるということは、くり返し書いているとおり
 です。

 頼む側の立場に立てば、なぜ安いのかすぐに理解できます。誰がどのよ
 うに訳すのかが不確定でわからないかわりに安いのです。「英日で原文1
 ワードあたり3円や5円ならこのくらいでも仕方がないだろう」という満
 足が得られる価格設定だと言ってもいいでしょう。

 もうひとつは、同じ分野やソースクライアントの仕事を続けて蓄積によ
 る品質と実力の向上を狙うことがまずできない点です。仕事を選べばい
 いと思うかもしれませんが、なにせ早い者勝ちですからね。ゆっくり考
 えていたら別の人に取られるのがオチです。


 

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