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■「山本ゆうじの翻訳道具箱」(その17)
                                                      山本ゆうじ

翻訳ソフトは「用語適用ツール」

 おそらく、みなさんのほとんどは、業務用翻訳ソフトをお使いではな
いと思います。また以前は使っていたが、使用を断念したという方もい
らっしゃるのではないでしょうか。

 業務用翻訳ソフトとは、消費者向けの翻訳ソフトに対して、LogoVista
(ロゴヴィスタ)、The 翻訳(東芝)、PC-Transer(クロスランゲージ)、
ATLAS(富士通)などの「対訳編集を前提にした翻訳ソフト」を指します。
翻訳者が翻訳ソフトを使うのは、「用語の自動適用ツール」として、効
率を上げ品質を向上するためです。たとえばA社の仕様と指定用語1000語
で翻訳した後で、似ていても微妙に違うB社の仕様と指定用語1500語で2
週間翻訳するとしましょう。その次の日にはまたA社の用語で翻訳すると
いった場合、何も工夫をしないと、少々気をつけたぐらいでは仕様や用
語を取り違えてしまいます。翻訳会社やクライアント、チェッカーや他
の翻訳者がその間違いを訂正することになります。ミスが残れば、その
翻訳を読まされるユーザーも混乱します。このような場合でも、翻訳ソ
フトを使えば、確実にすべての用語を適用し、仕様をきっちり守ること
ができます。

 翻訳ソフトで「最初から最後まで自動で翻訳できる」という過剰な期
待は禁物です。というより、翻訳者が使う場合、業務用翻訳ソフトは全
自動で使うものではありません。翻訳サイトや消費者向け翻訳ソフトの
ように、「ボタンを1つ押しておしまい」ではないのです。

 翻訳者は、翻訳ソフトを使うワークフローのすべてを完全に掌握し、
自分の予想通りの訳文が得られるようにする必要があります。このため
には、適切なユーザー辞書の構築と設定、また翻訳ソフトの癖を補正す
る外部的な整形フィルタやその他のツールが必要です。このような作業
を、翻訳ソフトワークフローを「プログラミングする」と表現すること
ができます。これは単なる比喩ではなく、翻訳ソフトの問題点を補うた
めに、実際にWSHスクリプトやVBAマクロを作成して行う自動化が必須と
なります。ここでは、翻訳者の意思(すなわち適切な単語や表現の選択)
を可能な限り正確に反映し、最小限の修正で完全な訳文にすることを目
指します。このようにして作成された高品質な訳文からは、翻訳ソフト
を使ったということはまったく判断できません。ただ翻訳ソフトを使わ
ない場合に比べて訳抜けやミスが非常に少なく、また効率的に作業でき
るという点が違います。逆に言えば、翻訳ソフトを使ったことが分かる
ような訳文では困ります。適切なユーザー辞書、正しい設定、外部フィ
ルタ、そして翻訳者による徹底的な確認のすべてがそろって、はじめて
自然な訳文を効率的に作成することができます。

 ただし、翻訳ソフトをうまく使いこなすには、原文を見て頭の中だけ
で訳文を構築し、翻訳ソフトの誤りを完全に指摘できる、最低でもTOEIC
850以上の英語能力と、翻訳ソフトより常に自然な訳文を作れる実務経験
3年以上の翻訳能力、それに加えて Word、Excel、エディタを自由自在に
組み合わせてユーザー辞書、マクロ、フィルタを作成できる高度なパソ
コン技能が求められます。

 今後数回にわたって、翻訳ソフトについてさらにご紹介します。ご質
問、ご感想、ご要望、ご意見などがありましたら、tran@nichigai.co.jp
までどうぞ。
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