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■「山本ゆうじの翻訳道具箱」(その15)
                                                      山本ゆうじ

MultiTerm を活用しよう

前回に続いて MultiTerm の紹介です(MultiTerm とは TRADOS の用語
管理ツールで、TRADOS の一部ライセンスには含まれています)。

 一見きれいにみえる部屋でも、掃除機をかけるとゴミやホコリがいっ
ぱいあることがわかります。用語の統一についても同じです。ツールを
使用しないでいると、自分でいくら完璧にチェックしたと思っていても、
1度ツールで確認してみればミスがいくつもでて驚かされることがあり
ます。

 用語集を検索するのに、Word やエディタを使われている方もいます。
Word ではあいまい検索ができますし、エディタの中にもあいまい検索が
できるものがあります。ただ、翻訳に使用する用語を確認するのに、最
初の数ヒットだけで判断するのは危険です。より適切な訳語が、用語集
の最後の方にあったとしたらどうでしょうか。そこにたどり着くまで何
度もクリックして確認しなかった場合は、誤った用語を採用してしまう
ことになります。MultiTerm なら、類似の語を含めてすべての用語のヒ
ットを一覧で確認できます。

 また grep 検索をするためのソフトで、前後の文脈を含めて一覧で出
すものもあります。しかし、インデックスを作成しないタイプの検索ツ
ールは、数千から数万語の用語を検索するには速度に問題があります。
時間がかかると、確認がおっくうになりがちです。特に確認したい単語
がいくつもある場合は、少しでも早く検索したいものです。MultiTerm
では、多数の用語に対しても非常に高速に検索できます。

 また、インターフェイス、インタフェース、インタフェイスなどの表
記のゆれを吸収できるのも、MultiTerm の特徴です。これは、一般的な
あいまい検索のように長音や中黒などの「ゆれやすい表記」を設定する
のではなく、表記のゆれを(TRADOS 同様に)文字の違いから数学的に
計算して、類似度を導いているためです。人間が犯しやすい、事前に予
測できないパターンの間違いやゆれにも対応することができます。

 作業に慣れてくると記憶に頼って翻訳しがちですが、これはかえって
誤りを増やすことになります。特に同一プロジェクトで、複数の会社の
用語を切り替えて翻訳する必要があることがあります。このような場合
に、記憶に依存していると間違いが増えます。MultiTerm は、該当する
(もしくは設定可能な範囲でのあいまい一致に該当する)用語を
Workbench 内で自動的に指摘するので、ユーザーはその語を簡単に適用
できます。もちろん複数の用語集を併用したり、切り替えたりすること
ができます。「用語の確認」という作業を、半自動化できるわけです。

 さらに MultiTerm では、「訳振り」をすることもできます。翻訳メモ
リ(訳振りするだけなら空のメモリでもかまいません)と事前に用意し
た MultiTerm の用語集を開き、Workbench を[ツール]、[翻訳]の順にク
リックすると、[ファイルを翻訳]ダイアログ ボックスが開きます。次に、
[既知の用語を翻訳]で、[置換]を選択します。詳しくは、Workbench の
このダイアログ ボックスのヘルプを参照してください。

 MultiTerm による用語管理は、理想的にはクライアントが行うものです
が、翻訳者や翻訳会社で使用しても大きな効果があります。正直いって
以前のバージョンの MultiTerm 5.5 は複雑で、使い勝手はあまりよくあ
りませんでした。新バージョンの MultiTerm iX は、操作性、用語の取
り込み、速度など多くの点で改善されています。Excel や CSV、または
旧 MultiTerm 形式の用語集があれば、簡単に取り込むことができます
(その際のディレクトリやファイル名は、英数字を使うとうまくいきま
す)。せっかく MultiTerm を持っているのに埋もれさせている方は、
ぜひ使ってみてください。

 ご質問、ご感想、ご要望、ご意見などがありましたら、
tran@nichigai.co.jp までどうぞ。

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新規用語データベース作成について
はじめまして。翻訳コーディネーターとして働いていますが、未熟者で、tradosを覚え始めたばかりです。
今度エクセルの用語集でTMを作りたいのですが、先にmultitermで単語を登録し、その後TMを作るほうがよいのでしょうか?それともmultitermを使わず、TMを作ることもできるのでしょうか?
山崎 2007/09/10(Mon)13:11:45 編集
RE: 新規用語データベース作成について
山崎様、

コメントありがとうございます。
「作る」のが、ゼロから作るか、既存のデータを変換するかによって異なります。また、TMは「文のデータベース」、用語集は「単語のデータベース」です。

TMも用語集も既存のものがなければ、まず用語集をしっかり検討して固めることをお勧めします。先にTMだけを作ることもできますが、まともな用語集がないと、遅かれ早かれ翻訳にかかわる全員が苦労することになります。ただし、実際には用語集を作りながらTMを構築してゆくことになるかもしれません。TMも用語集も1回作ればそれで終わりではなく、継続的に保守することで品質を維持できます。

tratool-jpという翻訳支援ツールに関するメーリング リストがあります。
http://groups.yahoo.co.jp/group/tratool-jp/
TRADOSに関する情報も充実しているので、一度ご覧になるとよいかと思います。
山本ゆうじ URL 2007/09/10(Mon)18:36:36 編集
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