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 ■ 「山本ゆうじの翻訳道具箱」(その44)実務日本語とは何か

  さて、英語の語彙を制限し、文法を簡単にしたものを簡易英語
(Simple English)と呼んでいます。英語には、Simplified English、
Basic English、Special Englishなど、用途や背景に応じてさまざまな
ものがあります。たとえば、VOAのSpecial Englishは初歩の英語学習に
適しています。またSimplified Englishは、簡潔かつ確実なコミュニケ
ーションが必要な航空・宇宙分野で使われています。

日本語でも、いくつかの規則を定めて文書を作成することで、大きな利
点があります。日常の日本語をすべてこれに切り替えようというのでは
ありません。日常会話や文芸は除外し、実務の分野での日本語の規則を
定めようというわけです。私はこれを「実務日本語」と呼んでいます。

実務日本語指針の具体的な項目の多くは一般的に言われていることで、
「簡潔な言葉遣いにする」「能動態を使う」「文を短くする」といった
ルールです。しかし実際には実践されていない事柄も多く、またいくつ
かの観点は目新しく見えるかもしれません。さらに、これらの指針は徹
底して行うことで大きな効果を発揮するものでもあります。

実務日本語の主な利点は以下の5つです。

●合理的な根拠に基づく
●読者にとって明快
●機械的処理がしやすい
●再利用と共有がしやすい
●検索しやすい

●合理的な根拠に基づく

実務日本語指針は、合理的な根拠に基づいています。慣習として確立し
ている指針は尊重しますが、あいまいな点については合理的で明確なル
ールを定めることで、執筆者が迷うことがなくなり、負担を減らすこと
ができます。

●読者にとって明快

文書の内容を明快にし、読者の誤解を減らせます。翻訳する際でも翻訳
者の負担を減らし、すばやく正確な翻訳ができます。英日の訳文では
「変な日本語」がかなりあります。表現を機械的に置き換えただけで済
まして、日本語に本来存在しない、こなれない表現を放置している場
合などです。たとえば、非生物主語は英語では普通に使われますが、
「その電話は彼を怒らせた」のように、日本語で多用すると変です。ま
た外資系のウェブサイトでは、不自然な日本語が目につきます。ネイテ
ィブの日本人以外が翻訳に携わる機会も増える中、明確な日本語指針を
示すことが必要でしょう。

●機械的処理がしやすい

実務日本語指針は、全面的に電子文書に対応しています。人間にとって
直接利用しやすいだけでなく、翻訳ソフトでの処理を含め、電子文書の
作成、処理、表示などを総合的に考慮しています。

●再利用と共有がしやすい

オリジナルの文書を翻訳、音声化などで二次的に利用する際の問題を減
らせます。自然言語処理での形態素解析、ファイル形式の変換などにつ
いても考慮されています。たとえば、自動翻訳の精度や、音声合成によ
る読み上げの正確さを飛躍的に向上できます。

●検索しやすい

表記などのばらつきはマニュアル作成者、翻訳者だけでなく、利用者も
悩ませます。これらを適切な表記に統一することで、電子文書をより確
実に検索することができます。たとえば、日英翻訳などの「原文として
の日本語」で役立ちます。日本語は多用な表記ができ、豊かな表現力を
持つ一方で、実務の立場からはインタフェースとインターフェイスなど
の表記の不統一が課題です。翻訳メモリの一致率で価格が決まる実務翻
訳では、日本語の表記の不統一は、確実なコスト増大につながります。
また翻訳ソフトではそれぞれの表記について用語登録をする必要が生じ、
手間がかかります。表記を統一できれば、翻訳メモリの一致率を上げら
れ、文書をスムーズに再利用できます。また翻訳ソフトでも、1種類の
表記に対して用語登録すれば済みます。

〈指針の実施と実装〉

実務日本語指針には、基本指針、拡張指針、実務日本語仕様の3種があ
ります。「基本指針」は要点のみを簡潔にまとめたもので、簡単に導入
・実施できます。「拡張指針」ではさらに細かく具体的な点まで定めら
れています。「実務日本語仕様」は、拡張指針の抜粋で、ツールで準拠
しているかをチェックすることを前提にした指針です。本来はすべての
指針がツールでチェックできるのが理想的ですが、実際には限界があり
ます。基本指針や拡張指針はあくまでも「指針」であり、人間が留意し
て作文や翻訳する必要があります。これに対して「実務日本語仕様」は、
ツールでチェックできる内容に限られるものの、逆にツールさえあれば
準拠しているか簡単にチェックできます。

実務日本語については、今後さまざまな場所で取り上げていく予定です。

=======お知らせ=======
2006年12月に、JTF(日本翻訳連盟)翻訳環境研究会でSATILA翻訳ワー
クフローについて講演します。
(詳細) http://transpc.cosmoshouse.com/jtf-seminar2006.htm
【日時】2006年 12月12日(火) 14:00~16:40
【テーマ】最新技術:翻訳ワークフローSATILAへのご招待
                    ~翻訳支援技術の最先端

実際の企業翻訳で、どのようにSATILAワークフローを活かして最大限の
効率と品質を実現するかをご紹介します。当日は具体的な実演を多数行
う予定です。今回は、企業クライアント、翻訳会社を主な対象としてい
ますが、実際に作業する翻訳者の方にもぜひご覧いただければと思います。
お誘い合わせの上、ぜひお越しください。

ご質問、ご感想、ご要望、ご意見などがありましたら、
tran@nichigai.co.jp までどうぞ。

《このコラムは、音声認識ソフトで入力し、音声読み上げにより校正し
   ています》
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