忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


■ 仕事としての翻訳                  井口 耕二

 ◆ビジネスの流れ

 ●仕事の仕方の工夫

 受注したら、あとは、翻訳して納品する「だけ」です。とはいえ、ここ
 の作業が「翻訳者」たる部分であり、とても重要です。

 原文を読んで理解し、訳文を考えて入力する。不明点や怪しい点は調査
 し、間違いは訂正して、納品する。基本的にはこういう流れになります。
 そのとき注意すべきは、大きくわけて以下の2点でしょう。

 ・スピード
 ・品質の安定

 具体的にブレークダウンすると、以下のような点が問題になります。

 ・納期を守る
 ・読み直し、手直しを行う
 ・専門用語は最初から最後まで統一した訳語を使用する
 ・不明点についてできる限りの調査を行う
 ・最終的に残った不明点については申し送りを書く
 ・文体など処理上の不明点は確認の上処理する
 ・納期遅れなど問題が発生しそうな場合は早めに連絡、相談する

 ◎スピード

 仕事としての翻訳では、「納期までに自分の実力にみあった訳文を提出
 する」ことが必要です。納期に間に合わなければ価値がなくなる場合も
 あるほどです。もちろん、納期に間に合ってもボロボロの訳文ではこれ
 またどうにもなりません。品質を落とすことなく、上げられる部分はス
 ピードを上げて品質を高める時間を確保することが肝要です。

 前に「ツール使いこなしのポイント」でも書きましたが、手よりも頭が
 意味を持つ部分、判断が必要な部分は人間が行い、頭よりも手が意味を
 持つ部分、つまり単純作業はコンピューターに任せます。具体的には、
 以下の部分をコンピューターに任せます。

 ・辞書引き
 ・文字入力
 ・単語やフレーズのコピー
 ・過去訳などの検索

 文字入力については「ツール使いこなしの実例」で紹介したので、ここ
 ではそれ以外について紹介します。

 なお、根本的なスピードアップは実力アップによってしか実現できませ
 ん。原文を読んで訳文を考え出すプロセスの速度は、実力があがらなけ
 れば速くなりませんから。細かな工夫で作業時間を短縮し、浮いた時間
 を使ってじっくり考えながら翻訳する。そうすれば、実力アップによる
 スピード向上も少しずつ実現してゆくでしょう。

 ・辞書引きのスピードアップ

 まず、辞書をパソコン上で引ける電子辞書にします。専門辞書など紙版
 しかないものは仕方がないので紙で引きますが、一般的な辞書は電子辞
 書にしてパソコンに搭載します。

 辞書引きのソフトも大事です。ポイントは、複数の辞書を一度に引いて
 一覧表示してくれること。電子辞書に添付されてくるソフトは複数辞書
 が引けない、異なる規格の辞書は引けないなど制約が多いので、別途用
 意することをお勧めします。フリーウェアやシェアウェアにいいものが
 あります。こういうソフトを用意すれば、作業している文書から引きた
 い単語を1回、コピー&ペーストしただけで複数の辞書を引くことがで
 きます。このコピー&ペースト作業をマクロなどで自動化すれば、もっ
 と簡単に辞書が引けるようになります(辞書引きマクロはいろいろと公
 開されています)。

 仕事としての翻訳の場合、スタンドアローンの携帯型電子辞書も不十分
 です。携帯型電子辞書の欠点は、単語を自分で入力しなければならない
 点と一覧性がない点です。自分で入力すると時間がかかりますし、うっ
 かり読み間違っていても自分の間違いに気づくことができません。そう
 いうとき自動で辞書引きをしていれば、思いもよらない内容が提示され、
 驚いて原文を読みなおして間違いに気づくというフィードバックが働き
 ます(何回か経験があります)。

 ・単語やフレーズのコピー

 コピー&ペーストなど、よく使う機能はショートカットキーから使いま
 す。いちいち、ドロップダウンメニューからコマンドを選択したりしな
 いこと。また、エディターやワープロソフトはキー割当ができることが
 多いので、よく使う機能には自分がわかりやすく使いやすいショートカ
 ットキーを割りあてて使いましょう。

 何度も出てくる単語を別ファイルにコピーしておくといった工夫が有効
 な場合もあります。また、クリップボードにコピーした内容を記録して
 おき、あとで使えるようにする小ツールを使う方法もあります。私自身
 は、秀丸エディタのマクロで処理しています(SimplyTermsに同梱して
 公開してあります)。

 コピー&ペーストを中心に、翻訳作業では範囲選択やカーソル移動をよ
 く行います。いちいちマウスに手を伸ばすと時間がかかりますし、カー
 ソルキーを何度も打つのは大変です。そういうときはCtrlキーを押した
 ままでカーソルキーを使います。これで横方向なら単語単位、上下方向
 なら数行単位でカーソルが移動するはずです(ソフトウェアによって若
 干の違いがあります)。また、Shiftキーを押したままでカーソルキー
 を使うと範囲選択をすることができます。CtrlキーとShiftキーを押し
 たままでカーソルキーを使うと単語単位で範囲選択ができます。

 マウスによる範囲選択も、単純に左クリックからのドラッグ以外の方法
 があります。まず、ダブルクリックからドラッグすると単語単位の選択
 になるのが一般的です。また、行の左端をシングルクリックすると1行
 選択、ダブルクリックすると段落選択になったりします。このあたりも
 ソフトウェアによって若干の違いがあるので、自分が使うソフトウェア
 について調べて習熟しましょう。

 ・過去訳などの検索

 翻訳をしていて「前に仕事で出てきたなぁ」と思うことがあります。で
 も、あの仕事だったかこの仕事だったかといちいちファイルを開いてい
 たのではたまりません。そういう場合はgrepという複数ファイルの内容
 を検索するツールを使用します。秀丸などのエディタにはgrep機能が搭
 載されているものが多くあります。grepはもともとテキストファイルを
 検索するものですが、WordやExcel、PDFなどもまとめて検索してくれる
 ソフトウェアがシェアウェアで公開されていたりします(私はKWIC
 Finderというものを使っています)。


 

PR
この記事にコメントする
Name:
Title:
Mail:
URL:
Color:
Comment:
pass: emoji:Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
最新CM
[12/09 山本ゆうじ]
[12/07 Lisa Hosoi]
[09/29 NONAME]
[09/29 NONAME]
[03/13 エラリー]
カレンダー
10 2017/11 12
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30
バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
カウンター
忍者ブログ [PR]
Copyright(C) TranRadar(トランレーダー)ブログ All Rights Reserved