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■ 仕事としての翻訳                  井口 耕二

 ◆ビジネスの流れ

 ●受注の仕方

 前回のメールマガジンでは、打診から受注で以下の項目がポイントにな
 ると紹介し、1と2について説明しました。

 1. 自分の翻訳速度を正確に把握しておく
 2. 量が多い場合は減らしてもらう、または断る、という勇気を持つ
 3. 原稿を見て、その難易度と翻訳量を見積もる目を養う
 4. 専門分野を持ち、なるべくその分野の仕事に集中する
 5. 翻訳スピードを高める工夫をする

 今回のメールマガジンはその続きです。

 3. 原稿を見て、その難易度と翻訳量を見積もる目を養う

 原稿は打診の段階で届く場合と受注を決めたあとに渡される場合があり
 ます。いずれにせよ、原稿が届いたらざっと目を通しましょう。分野、
 量、難易度を把握し、納期までに仕上げられるかどうかを判断するので
 す。

 原稿を見ないで受注したときは特に注意が必要です。翻訳会社のコーデ
 ィネーターなら分野や量を正しく把握しているはずだと考えるのは甘す
 ぎます。私の経験でも、「地熱がどうした」というから専門のエネルギ
 ー分野だと思っていたら「温泉地の観光ガイド」だったことや、「環境」
 と聞いていたら「ある化学物質が人体に及ぼす作用」で医学用語のオン
 パレードだったことなどがあります。分量も10%や20%ずれることは珍
 しくありませんし、原稿が紙の場合などを中心に聞いていた量の倍以上
 だったなんてこともあります。

 原稿に目を通してまずいと思ったら、すぐに対応を取る必要があります。
 分野違いは他の人に振ってもらうのが一番です(「環境」→「医薬」の
 ときは、そうしました)。納期も、多少、調整してもらえる場合があり
 ます。

 量については、原稿が電子ファイルならツールでカウントします。Word
 なら、ワードカウントの機能があるので、そこでだいたいのことがわか
 ります。ただし、カウントされるのは本文のみ。テキストボックスや脚
 注など、カウントされないところがある点に注意する必要があります。
 Excelなら対象部分を選択してCtrl+Cでクリップボードにコピーし、Word
 に貼りつけてカウントします。PowerPointは……とても面倒なので、公
 開されているツールを活用しましょう。私は自分で開発して公開してい
 るSimplyTermsのカウント機能を使いますが、CountAnythingというツー
 ルを使っている人も多いようです。

 自分のスピードを仕上がりベースで把握している場合は、原語のワード
 数から仕上がり量を見積もります。英日なら、原語110~150ワードくら
 いが日本語の400字になります。幅があるのは、カタカナ語の多少や文
 体(です・ます、である、など)、自分の文体が簡潔か冗長かなどによ
 って異なるからです。この数値も、自分の場合について把握しておくと、
 あとあと便利です。

 ただ、紙に印刷されている原稿の場合は、ワード数のカウントが大変で
 す。そんなもの、いちいち数えている暇があったら、どんどん翻訳を進
 めた方がいいですよね。

 こういう場合は、えいやぁ、で見当をつけます。

 A4用紙の左端から右端までが1行という形式で英語が書かれている印刷
 物なら、まあ、だいたい、A4 1枚が日本語400字3枚くらい(400ワード
 強)、2段組になっている(A4の左半分と右半分の2段に印刷されている)
 場合は、A4 1枚が日本語400字4枚くらい(600ワード弱)になります。
 また、字が細かいなと感じたら、原文1枚あたり、仕上がり1枚くらい多
 くなります。

 なお、これは図表がない場合です。図表がある場合は、テキスト部分が
 2/3枚……という具合に数えていきます。図表の内部も翻訳するなら、
 テキストの量としてこのくらいと思う量+αと数えていきます。

 こうして見積もった量が聞いていた量とあまりに違い、納期に間に合い
 そうになければ、そう思った時点で翻訳会社などに連絡をいれ、対応を
 相談します。対応方法としては、納期の延長を交渉してもらう、複数人
 にわけてもらう、別の人に振ってもらうなどの方法が考えられます。

 なお分野や分量が違うと翻訳会社に文句を言いたくなりますが、責任は
 ソースクライアントにある場合もあります。原稿がソースクライアント
 から届いておらず、こういう量のこういう案件という話だけで翻訳者の
 手配をしなければならないこともあるからです。ソースクライアントは
 翻訳の専門家ではないので、特に量については間違いがおきても不思議
 はありません。納期が厳しいと数量を少なめに見積もっておき、最後は
「なんとかしてくれ」と無理を通したくなることもあるでしょう。いず
 れにせよ、文句を言っても問題は解決しません。ビジネスライクな対応
 で問題解決をめざすべきです。

 4. 専門分野を持ち、なるべくその分野の仕事に集中する

 同じ分野の仕事をくり返せば知識も言葉も蓄積され、品質と処理スピー
 ドの両方があがってゆきます。逆に分野がばらばらの仕事をしていると
 品質も処理スピードもなかなかあがりません。専門分野を決め、なるべ
 くその分野の仕事に集中しましょう。違いすぎる分野の仕事は断る勇気
 を持ちましょう。

 もちろん、専門をせまく絞れば絞るほど仕事量の確保が難しくなります
 から、そのバランスをみながら調整してゆく必要があります。

 専門分野の重要性や選び方、作り方は過去のメールマガジンで詳しく書
 いていますから、そちらを参照してください。
 

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