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■ 仕事としての翻訳                  井口 耕二

 ◆ビジネスの流れ

 仕事の打診が来た!

 さあ、あとは訳して納品すればいい……とはなりません。その前に受注
 するのかしないのか、その判断をする必要があります。

 ●受注の仕方

 最初は、打診が来ただけでうれしいものですし、断ると声をかけてもら
 えなくなるのではないかという心配もあるため、何でも請けてしまう人
 がいるようです。でも、ちょっと待ってください。

 できもしない仕事を受注すれば、苦しみ抜いたあげく不十分な訳文しか
 提出できません。訳文が不十分だと気づけば、客先納期までの間になん
 とかリカバリーしようと翻訳会社はあたふたすることになります。不十
 分だと気づかず客先に納品すればクレームになるかもしれません。

 私がコーディネーターなら、その翻訳者に2度と声をかけません。分野
 によってはいい翻訳者なのかも知れませんけどね。でも、自分にできる
 かできないかの判断ができない人に仕事を発注するのは、くじを引くよ
 うなものであてにできません。次に新人向けの仕事が発生したら別の新
 人さんに振り、信頼できる人を探そうとするでしょう。

 翻訳などの請け負い仕事は、受注を決めたら仕事の半分は終了です。受
 注する前には、内容、量、納期など、さまざまな条件を勘案し、できる
 かできないか、やるかやらないか、いろいろと考える必要があります。
 不明な点があれば問い合わせや確認もしなければなりませんし、納期の
 ネゴを行うこともあります。最終的に受注を決断すれば、あとは、やる
 と約束したことをやるだけです。

 打診から受注では、以下の項目がポイントとなります。

 1. 自分の翻訳速度を正確に把握しておく
 2. 量が多い場合は減らしてもらう、または断る、という勇気を持つ
 3. 原稿を見て、その難易度と翻訳量を見積もる目を養う
 4. 専門分野を持ち、なるべくその分野の仕事に集中する
 5. 翻訳スピードを高める工夫をする

 これらを念頭に、以下の事項を確認して、受注するかしないかの判断を
 行い、回答します。

 1. 内容  -分野と内容
       (先方が間違っていることあり)
 2. 量   -数量だけ連絡されたときは要注意
 3. 納期  -自分のスピードで間に合うのか
 4. 納品形態-ベタ打ちでいいのかDTP的作業も行うのか
       (+αの時間を見込む必要があるのか)
 5. その他 -図表はタイトルのみか中身までか
       (量のわりに時間がかかることが多い)

 これらの項目について、順番に説明しましょう。

 1. 自分の翻訳速度を正確に把握しておく

 これがわからなければ、納期までに訳し終えられるかどうかわかるわけ
 がありません。できる・できないの判断にどうしても必要なことですか
 ら、時間を測りながら翻訳を行い、自分の速度を把握しておいてくださ
 い。翻訳速度は分野や難易度によって大きく変化します。いろいろな条
 件ではかって頭にたたき込んでおきましょう。

 スピードを測るとき大事なのは、読み直しやファイル修正にかかる時間
 も込みで考えること。600ワードのファイルを4時間で一通り訳したあと、
 読み直しと修正に2時間かかったら、総合スピードは600ワード/6時間=
 100ワード/時です。

  ついでに、原文と訳文の比率(ワード/文字、文字/ワード)も測っ
  ておくとあとあと便利です。

 なお、把握しておかなければならないのは「最低速度」です。「平均速
 度」ではありません。平均速度でぎりぎりという仕事を請けたら、2回
 に1回は納期に遅れる計算になりますからね。最低速度で見積もっても、
 そのとき請けた仕事が今まで以上に時間がかかるもので最低速度記録を
 更新することだってありますが、そのくらいなら睡眠を削るなどして対
 応が可能でしょう。

 スピードに1日あたりの仕事時間をかければ1日あたりの処理量が得られ
 ます。これで案件の全体量を割り、納期と比較すれば、できる・できな
 いの判断ができるわけです。

 仕事として産業翻訳をしたいなら、最低でも英日仕上がり400字で5枚/日、
 原語ベースで600ワード/日くらいのスピードがないと難しいでしょう。
 特に最近は短納期の案件が増えており、新人がじっくり訳して力をつけ
 るのが困難な状況になってしまいました。

 2. 量が多い場合は減らしてもらう、または断る、という勇気を持つ

 自分の処理速度では納期に間に合いそうにない、またはあまりにぎりぎ
 りであるという場合、一部だけを受注して残りを他の人に回してもらう
 か、または、思い切って断る必要があります。

 特に駆け出しのころは断ることが怖く、無理を承知でつい請けてしまう
 ことがあります。でも、納期に遅れれば断る以上に大きなマイナス評価
 となりますし、納期を気にして品質が低下すればこれまたマイナス評価
 となってしまいます。

 翻訳関連の雑誌に、翻訳コーディネーターへのアンケート調査が載るこ
 とがあります。そのとき、翻訳者の善し悪しを判断する主な項目のひと
 つとして必ず登場するのが納期遅れです。やると約束したことはやる必
 要があります。逆に、やれないことをやると約束してはいけないのです。

 断る勇気を持ちましょう。

 

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