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■ 「英和翻訳の原理・技法」 レビュー(その2)

◆翻訳に向かう姿勢を見直すきっかけに
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                           落合 俊之

中村保男氏が書いた本では、以前から「英和翻訳表現辞典」「続・英和
翻訳表現辞典」を使用しており、今でも時々お世話になっている。本書
でも品詞や態の転換などについて具体的な解説があるが、本書の眼目は
そういった具体的な指摘よりも、「全体感覚」や「不即不離」などと
いった言葉にあると思う。

しかし実を言うと、私が最も印象に残った部分は、「基本は単語力」と
いう下りだった。著者は、翻訳の第一歩である原文解読の中でも、構文
解析よりまずは単語力、と説く。翻って自分はどうか。今や常用する
辞書のほとんどはパソコンに格納し、わからない単語があれば複数の
辞書を同時に簡単に検索できる。勢い、単語力を軽視しがちで、調べた
単語の意味や綴りも記憶に残らないようになっていることに気が付いた。
もう、基本中の基本がおろそかになっていたのである。

「英和翻訳の原理・技法」という題がついた本で一番印象に残ったのが
結局は単語力の強化とは我ながら情けなく、また著者や本書をプレゼン
トしてくれた出版社にもさぞがっかりされそう(怒られそう?)だが、
最近、仕事の忙しさを言い訳に怠りがちであった勉強への意欲を掻き
立ててくれ、さらには翻訳に向かう姿勢をも見直すきっかけを与えて
くれたことに感謝したい。


◆どこをとっても思い当たる節だらけ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                          占部 やよい

まず、何よりも読んで面白いというのが感想です。本書の例文に適切な
訳をつける過程が、どのように考えていけばよいのか具体的に示されて
いてとてもわかりやすく、特に補充訳のところが参考になりました。

どこをとっても思い当たる節だらけで自らの試行錯誤と重なります。
中村先生の洗練された文書に追いつくのは無理でも、素直に丁寧に訳
していきさえすれば、誤訳は避けられるのだと、勇気付けられた気が
します。


◆何年かしてあらためて手にしてみたい本
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                           廣江 昭彦

翻訳に興味を持ち始めたばかりの私が、翻訳の技法について書かれた本
を手にするのはこれが初めてだった。従って、他の類似の本との比較の
上で本書の感想を書くことが出来ないことを先ずはお許し願いたい。

翻訳の技法などと書かれた本は、どうせ英文法の本に毛が生えた程度の
物だろうという先入観しか無かった私は、帰りの通勤電車の中でこの本
を開いた。

序文に福田恒存氏の名前を見つける。懐かしい名前だ。昔日本語の乱れ
を大変嘆かれていた人の一人だ。和語と言う言葉を見つける。福田氏も
大和言葉の好きな人であった。

"翻訳とは何か"に始まって、第一部英和翻訳技法。"総論"、"省略の秘訣"、
"補充訳"と読み進んだ私は次の章を見て驚いた。"頭から訳す技法"とある。
曰く"英米の読者でも、この英文を頭から読み下していくのだから、結局
は尻上がり式の順序で読むことになる"、曰く"、、、この場合も文脈で
あり、平衡感覚である"と。なるほど。

これに続くのが"構文を変える"、"態の転換"、"品詞転換"である。文法
書に毛が生えた本という私の先入観は完全に何処かへ消えていた。

ひどく感心している私を尻目に洒落や比喩の翻訳迄出てくる。

私にとって耳が痛かったのは、"国語力と英語力"と題された一章だった。
この章はほんの数頁とはいえ、殆ど英語が出てこない。翻訳を志す人間
は日本語を大事にしなくてはいけないこと、そしてそれが今如何に軽視
されているかについて書かれている。私は、文芸翻訳などと言う柄では
ないが、分野を問わず翻訳と言う仕事は言葉を相手にした商売なのだと
言うことを改めて思い出させてくれた。

この本を通じて私が感じたのは、書評にも有るが、筆者の言葉特に日本
語に対するこだわりであり愛情だった。

もし、私が無事翻訳の道に足を踏み出すことが出来たなら、何年かして
あらためてこの本を手にしてみたい、そう思った。その時にはきっと又
違った顔を見せてくれる、そんな本だと思った。


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皆様から頂きましたレビューは、以下↓のサイトで紹介させて頂いて
おります。
 http://www.nichigai.co.jp/translator/book/sun-flare2.html

次回も続けて読者レビューをご紹介いたします。どうぞお楽しみに。
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