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 ■ 仕事としての翻訳                  井口 耕二

 ◇ビジネスの流れ

 ●休みの取り方

 しばらくメールマガジンの執筆をお休みしてしまったからというわけで
 はありませんが……
 今回は「休みの取り方」です。

 翻訳は受注産業なので、基本的に、断った仕事は別の人のところへ行っ
 てしまいます。つまり、休めばそれだけ収入が減ります。また、断ると
 次の打診がなくなるのではないかと心配で、「休みをとることなど考え
 られない」という人もいるようです。

 一方、毎年、2週間、3週間という長期で旅に出てしまう人もいます。
 もちろん、 そういう長期だけが休みではなく、週末や平日など、ふだ
 んのお休みというのも大事です。

 ◎休みをとったら仕事が来なくなるのか

 休みをとっただけで仕事が来なくなるということはありません。1年
 365日、仕事をしているはずがないのは、皆、わかっているわけですか
 ら。

 ただし、休みをとる時の対応が悪くて大きな迷惑をかけてしまうと取引
 先の評価表に×印がつくおそれがあります。要するに、休みの取り方が
 問題ということです。

 ◎休みの形式

 まず、なにをもって「休み」というのでしょうか。「いや、休みは休み
 でしかないでしょう」と思うのは、ちょっと頭が固いと思います。

 1. 仕事はまったくしない
 2. ある程度は仕事もする
 3. 仕事があればあるだけする

「3は休みじゃないだろう」と思う方もおられるかもしれませんね。でも、
 そうとばかりは言えないと思います。自宅よりもずっと環境のいい場所
 に滞在し、仕事があればするしなければそのあたりでゆっくりするとい
 う「休み方」もあるのではないでしょうか。それでもなお、びっちり仕
 事をするのはイヤだと思うなら、あるいはそこまでするのは無理な状態
 なら、仕事量を減らして2にすればいいわけです。

 実例もいろいろとあります。私が知っている範囲でも、夏場に高原や北
 海道に滞在する人、毎年、仕事をしつつハワイに長期滞在する人がいた
 りします。このほか、温泉に滞在しつつ仕事ができたらいいなという話
 も聞いたことがあります。

「せっかくどこかにでかけるのに仕事をするのは……」と思うかもしれ
 ませんが、逆に、断らない方がいい取引先の仕事は少なくともできるか
 ら長期の(半)休みが気軽に取れるという考え方もあるわけです。この
 あたり、自分に合う考え方で休みをとればいいというのも、フリーラン
 スのメリットです。

 もちろん、滞在型ではなく、観光して回るような旅やなにがしかのアク
 ティビティが目的となっている旅など、その間、仕事をしている時間が
 ないケースもあります。とにかく仕事を忘れてリフレッシュしたいとい
 うこともあるでしょう。そういう場合は、1のパターンで休むことにな
 ります。

 平日に1日、休みをとって出かけるなどのケースも、基本的に1になりま
 すね。

 ◎休みをとる前の対応

 長期で休みをとる場合、仕事をしない、あるいは減らす形なら、主な取
 引先には休みの連絡を入れておいたほうがいいでしょう。連絡が取れる
 工夫をしておくにしても、基本的に断るのであれば、連絡の分、無駄な
 手間を取引先にかけさせることになります。

 連絡はメールがいいでしょう。休む期間など、取引先にメモを取らせる
 必要がないですから。文面はもちろん丁寧に。迷惑をかけることへのお
 詫びも書いておきましょう。もちろん、「いつからいつまで休みます」
 と休みの期間も。休みの間に何をしているのかまで書く必要はありませ
 ん。

 仕事量を減らすときには、休みの連絡メールで一部の取引先にのみ「こ
 の間、仕事はできません」と連絡する、あるいは、「~~の仕事はやれ
 ますが、~~の仕事はできません」のようにやれるものとやれないもの
 を連絡するなどが考えられます。

 平日に1日休んででかけるような場合、その間も連絡が取れるのならわ
 ざわざ事前に連絡する必要はないでしょう。けっこうしょっちゅうやり
 とりのある取引先で、ちょうど納品があったりした場合には、ついでに
「今日はこのあと外出となります」のように書いてもいいと思います。

 ◎休み中の対応

 仕事をするにせよ、しないにせよ、できるだけ、連絡は取れるようにし
 ておいたほうがいいでしょう。

 基本的に仕事はしないという場合も、なにがしかの理由でどうしても連
 絡を取りたいと取引先が思うことがあるかもしれません。前につきあい
 のあった取引先から久しぶりに連絡がはいるかもしれません。

 連絡を取れるようにしておくと言っても、特に難しいことはありません。
 メールと電話を携帯電話に転送しておけばいいわけです(最近は、もと
 もと携帯電話が連絡先になっている人も多いと思いますが)。スマート
 フォンなど、一部機種を使えば、メールに添付されたファイルの中身も
 確認することができます。

 仕事をする場合、ノートパソコンとインターネットへのアクセス手段を
 用意しておきます。インターネットへのアクセス手段としては、携帯電
 話経由でインターネットプロバイダーに接続する、モバイルWiFiルータ
 ーを使うという方法があります。

 田舎に出かける場合は、携帯電話のキャリアによってつながりにくいこ
 とがあるので気をつけましょう。田舎に遊びにゆくことが多い人は、人
 口カバー率の高いキャリアを選ぶべきです。

 ◎休み後の対応

 事前に連絡を入れておいた場合、休み終了後にも連絡を入れましょう。
 休みを終えて通常業務に復帰したことのほか、配慮してもらったことへ
 のお礼も書いておきましょう。もちろん、休みの間、ふだんなら自分に
 回る案件がなくて忘れられていた可能性ももちろんあるわけですが、
 その場合でも、「ご配慮、ありがとうござました」と一言、書き添えて
 プラスこそあれ、マイナスはありませんからね。

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■ 仕事としての翻訳                  井口 耕二

 ◆ビジネスの流れ

 ●仕事の仕方の工夫

 仕事の仕方について、今回は「原稿の受領・送付の仕方」と「バックア
 ップ」です。

 ◎原稿の受領・送付の仕方

 最近はほとんどインターネットのメール添付ですね。セキュリティに気
 を使うところだと、ちょっと特殊なFTPサイトを使う場合もあります。

 ○添付メール

 今どき、メールソフトで添付メールが扱えない人はいないと思います
 が……もし、あまりやったことがないなら、自分宛にメールを送るなど
 して(↓)の練習しておきましょう。

 ・送るメールにファイルを添付する
 ・受けとったメールに添付されているファイルを別のフォルダに保存す
  る

 メール添付で問題になるのはメールボックスの容量です。ポイントは1
 通あたりの容量と総容量。仕事用だと巨大なファイルの送受信をするこ
 とがあります。1通あたりの容量が小さすぎるメールボックスでは受信
 ができず、困ることがあります。総容量が小さいと、大きなメールが立
 て続けにきたとき、やはり受信できないことがあります。メールアドレ
 スを取るときは、なるべく、1件あたりの容量と総容量、両方が大きい
 ものを選びましょう。

 納品時にも、ファイルが大きいと受信してもらえず、はじかれることが
 あります。大きなファイルを送るときは、受領確認が来るまででかける
 など対応がとれなくなることはなるべく避けるべきです。すぐにでかけ
 なければならないなどの場合は、納品メールで受領確認をお願いする、
 開封通知をつける、電話で確認するなどの対策を念のために取ることを
 お勧めします。

 ○ウェブサイト経由

 ウェブサイトを経由する方法は、大きくわけて3種類(↓)あります。

 ・自分のウェブサイト
 ・ファイル転送サービス、オンラインストレージサービスを使う
 ・発注側が用意したサイト

 自分のウェブサイトの場合、FTPソフトウェアで適当なディレクトリに
 アップロードし、そのファイルのURLをメールで納品先にしらせます。
 ウェブサイト自体の設定をディレクトリ内部が見られないようにしてお
 けば、これだけでもたいがいは大丈夫でしょう。心配なら、ディレクト
 リにパスワードロックをかけておきます。

 最近は、ファイル転送サービスやオンラインストレージサービスと呼ば
 れるものがあります。これも他の人に大きなファイルを送ることができ
 ます。自分が選んだサービスについて使い方や約款を読んでおきましょ
 う。使ったことがなければ、自分宛に送る形で練習しておきます。仕事
 で必要になって初めて使い、まごついて失敗するなんてことがないよう
 に。

 発注側が用意したサイトは、アクセスに必要な情報が渡されるはずなの
 でそれに基づいて利用します。ダウンロードだけならたいがいはブラウ
 ザでも行えますが、こちらからファイルを送るためにはFTPソフトが必
 要になるケースが多いはずです。フリーウェアやシェアウェアのFTPソ
 フトを入手し、やはり、どこかで使ってみることをお勧めします。メー
 ルアドレスなどに付随してホームページが持てるケースがよくあります
 が、そのあたりでテストしてみるわけです。

 ○その他の方法

 最近はFAXのやりとりがほとんどなくなりました。昔はFAXマシンが必須
 だったのですが、今はなければなくてもたいがいなんとかなりそうです。

 紙原稿が宅配便で送られてくるというのもめったになくなりました。出
 版翻訳だと完本(原稿となる書籍の販売バージョン)が宅配便で送られ
 てくるのが一般的ですが、産業翻訳で宅配便はまず聞きません。パンフ
 レットなど、紙版の原稿しかない場合も、スキャンしてPDFで送られて
 くることが普通になりましたから。

 ◎バックアップ

 パソコンは壊れるものです。自分の取扱いミスはもちろん、落雷の影響、
 経時変化による劣化など、理由はいろいろですが、ともかく、前触れな
 しにいきなり壊れてしまうことがあります。データはバックアップを取
 っておきましょう。

 バックアップのポイントは、そのパソコンが起動しなくなってもデータ
 だけを取り出せること。

 そういう意味で考えられる方法としては(↓)があります。

 ・外付けのHDDやメモリ
 ・別のパソコン
 ・オンラインストレージサービス
 ・メール

 ○外付けのHDDやメモリ

 USB接続のHDDやメモリにデータを転送しておくわけです。パソコンが
 壊れても、そのHDDやメモリを別のパソコンにつなげばデータだけは使
 えます。おそらく、翻訳者の多くはこの方法をとっているだろうと思い
 ます。

 外付けHDDなら過去の案件から何から丸ごとバックアップしておくこと
 ができます。これだけでもいいと思いますが、念には念を入れてたった
 今作業している案件だけはUSBメモリにも転送しておく人もいます。パ
 ソコンが壊れたとき、誰かのパソコンを借りるなどのとき、USBメモリ
 なら小さくて持ち運びに便利だからです。

 バックアップの作業自体は、フリーウェアやシェアウェアのソフトを使
 えば簡単に行えます。

 ○別のパソコン

 2台目のパソコンを買うとき、古いパソコンをサブとして残しておき、
 そちらにバックアップするという方法です。パソコン間はLANで結びま
 す。

 私はこのやり方を主としています。

 この方法のいいところは、パソコン自体が壊れてもサブマシンで作業が
 続けられる点です。MS Officeなども、新バージョンを新しいほうのパ
 ソコンにインストールして古いほうを古いパソコンに残しておけば、そ
 れなりになんとかなったりします。秀丸などシェアウェア系は、使う人
 がひとりなら1ライセンスで複数台にインストールできるものが多く、
 コスト負担は増えないはずです。

 こちらも作業にはフリーウェアやシェアウェアのソフトを使います。

 ○オンラインストレージサービス 
 ○メール

 家が火事になったら? 一帯が停電になったら? など、物理的にひと
 かたまりのものがいっせいにダメになるケースにも対応しようと、オン
 ラインストレージサービスやメールでバックアップをするという人もい
 ます。メールは、受信してもメールをボックスに残す設定としたアドレ
 スへ添付メールで送っておくわけです。

 ここまではしなくてもたいがいは大丈夫だと思いますけどね。

 なお、セキュリティ系では常識なのですが、どこまでやっても絶対安全
 はありえません。また、バックアップなしと外付けHDDや他のパソコン
 へのバックアップありではデータの安全性が大きく異なりますが、そこ
 からさき、自宅外にまでバックアップすることによる安全性向上は小さ
 なものとなります。バックアップなしは言語道断ですが、あまり神経質
 になる必要もないでしょう。

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■ 仕事としての翻訳                  井口 耕二

 ◆ビジネスの流れ
 
 ●仕事の仕方の工夫

 前回は、スピードアップの工夫を紹介しました。今回はもうひとつのポ
 イント、品質の安定を取りあげます。

 ◎品質の安定

 自分の実力以上の翻訳はできません。ですから、自分の実力どおりの訳
 文を作る、それが、仕事としての翻訳を進めるにあたって大事なポイン
 トとなります。

 もちろん、専門分野の一番中心に「はまった」仕事が一番よい品質とな
 り、そこからはずれるほど品質は落ちるものです。これは実力のうちで、
 仕方がありません。しかし、それ以外の理由による品質低下やぶれが発
 生しないように気をつける必要があります。

 品質がぶれるというのは大きなマイナスです。訳文が90点のときと40点
 のときがある人では、安心して仕事を任せられません。翻訳者が訳文を
 提出するのは、客先納期まで、もうあまり時間が残っていないときです。
 その時点で40点だとわかったら、あとは大変な作業になります。それな
 らむしろ、60点で安定している方がいいかもしれません。後処理の時間
 が読めるからです。

 品質を安定させるためにはどうすればいいのでしょうか。

 ・読み直し、手直しを行う

 そんなの当然だよ、と思う方も多いでしょう。でも、この処理を行わな
 い、または、きちんと行えない人が少なからずいるようです。

 私が翻訳発注側にいたとき、日本語の誤変換がボロボロある(A4 1ペー
 ジに数カ所以上)訳文が何度も納品されました。誤変換など、一回、読
 み直していれば、そのほとんどに気づいていいはずの間違いです。見落
 とすことがないとはいえませんが、それでも大半はつぶせるはずです。

 読み直しはモニター上で行う人もいますが、紙に印刷して読みなおすこ
 とをお勧めします。印刷のほうが解像度が高いため、間違いに気づきや
 すくなるからです。

 読み上げソフトを使う方法もあります。読み上げさせた訳文を聞きつつ、
 目で訳文を追ってゆくのです。自分で読むと思い込みで読みちがえたり
 しますが、ソフトウェアは間違ったとおりに読んでくれるのでおかしい
 と気づきやすくなります。

 日英翻訳の場合、スペルチェックを必ずかけます。これも、やらない人
 が意外なほど多いようです。

 ・専門用語は最初から最後まで統一した訳語を使用する

 ちょっと長くなると、統一すべき訳語が前の方と後の方でばらけてしま
 う人がいます。こうなると、読んでいる方は、前に出てきた他の単語と
 同じものを指しているのかいないのか、迷ってしまいます。

「読み手が迷う」というのは、1ヶ所ではたいしたことはなくても、それ
 が重なると、非常に読みにくく、「悪文だ」と思わせる原因になります。
 同じ単語を使うというような機械的にできることは必ず行うようにしま
 しょう。

 無精せずに、前半の訳文を検索し、その単語をコピーして使います。
「単語やフレーズのコピー」で紹介した小技を使うのもいいでしょう。


■ 仕事としての翻訳                  井口 耕二

 ◆ビジネスの流れ

 ●仕事の仕方の工夫

 受注したら、あとは、翻訳して納品する「だけ」です。とはいえ、ここ
 の作業が「翻訳者」たる部分であり、とても重要です。

 原文を読んで理解し、訳文を考えて入力する。不明点や怪しい点は調査
 し、間違いは訂正して、納品する。基本的にはこういう流れになります。
 そのとき注意すべきは、大きくわけて以下の2点でしょう。

 ・スピード
 ・品質の安定

 具体的にブレークダウンすると、以下のような点が問題になります。

 ・納期を守る
 ・読み直し、手直しを行う
 ・専門用語は最初から最後まで統一した訳語を使用する
 ・不明点についてできる限りの調査を行う
 ・最終的に残った不明点については申し送りを書く
 ・文体など処理上の不明点は確認の上処理する
 ・納期遅れなど問題が発生しそうな場合は早めに連絡、相談する

 ◎スピード

 仕事としての翻訳では、「納期までに自分の実力にみあった訳文を提出
 する」ことが必要です。納期に間に合わなければ価値がなくなる場合も
 あるほどです。もちろん、納期に間に合ってもボロボロの訳文ではこれ
 またどうにもなりません。品質を落とすことなく、上げられる部分はス
 ピードを上げて品質を高める時間を確保することが肝要です。

 前に「ツール使いこなしのポイント」でも書きましたが、手よりも頭が
 意味を持つ部分、判断が必要な部分は人間が行い、頭よりも手が意味を
 持つ部分、つまり単純作業はコンピューターに任せます。具体的には、
 以下の部分をコンピューターに任せます。

 ・辞書引き
 ・文字入力
 ・単語やフレーズのコピー
 ・過去訳などの検索

 文字入力については「ツール使いこなしの実例」で紹介したので、ここ
 ではそれ以外について紹介します。

 なお、根本的なスピードアップは実力アップによってしか実現できませ
 ん。原文を読んで訳文を考え出すプロセスの速度は、実力があがらなけ
 れば速くなりませんから。細かな工夫で作業時間を短縮し、浮いた時間
 を使ってじっくり考えながら翻訳する。そうすれば、実力アップによる
 スピード向上も少しずつ実現してゆくでしょう。

 ・辞書引きのスピードアップ

 まず、辞書をパソコン上で引ける電子辞書にします。専門辞書など紙版
 しかないものは仕方がないので紙で引きますが、一般的な辞書は電子辞
 書にしてパソコンに搭載します。

 辞書引きのソフトも大事です。ポイントは、複数の辞書を一度に引いて
 一覧表示してくれること。電子辞書に添付されてくるソフトは複数辞書
 が引けない、異なる規格の辞書は引けないなど制約が多いので、別途用
 意することをお勧めします。フリーウェアやシェアウェアにいいものが
 あります。こういうソフトを用意すれば、作業している文書から引きた
 い単語を1回、コピー&ペーストしただけで複数の辞書を引くことがで
 きます。このコピー&ペースト作業をマクロなどで自動化すれば、もっ
 と簡単に辞書が引けるようになります(辞書引きマクロはいろいろと公
 開されています)。

 仕事としての翻訳の場合、スタンドアローンの携帯型電子辞書も不十分
 です。携帯型電子辞書の欠点は、単語を自分で入力しなければならない
 点と一覧性がない点です。自分で入力すると時間がかかりますし、うっ
 かり読み間違っていても自分の間違いに気づくことができません。そう
 いうとき自動で辞書引きをしていれば、思いもよらない内容が提示され、
 驚いて原文を読みなおして間違いに気づくというフィードバックが働き
 ます(何回か経験があります)。

 ・単語やフレーズのコピー

 コピー&ペーストなど、よく使う機能はショートカットキーから使いま
 す。いちいち、ドロップダウンメニューからコマンドを選択したりしな
 いこと。また、エディターやワープロソフトはキー割当ができることが
 多いので、よく使う機能には自分がわかりやすく使いやすいショートカ
 ットキーを割りあてて使いましょう。

 何度も出てくる単語を別ファイルにコピーしておくといった工夫が有効
 な場合もあります。また、クリップボードにコピーした内容を記録して
 おき、あとで使えるようにする小ツールを使う方法もあります。私自身
 は、秀丸エディタのマクロで処理しています(SimplyTermsに同梱して
 公開してあります)。

 コピー&ペーストを中心に、翻訳作業では範囲選択やカーソル移動をよ
 く行います。いちいちマウスに手を伸ばすと時間がかかりますし、カー
 ソルキーを何度も打つのは大変です。そういうときはCtrlキーを押した
 ままでカーソルキーを使います。これで横方向なら単語単位、上下方向
 なら数行単位でカーソルが移動するはずです(ソフトウェアによって若
 干の違いがあります)。また、Shiftキーを押したままでカーソルキー
 を使うと範囲選択をすることができます。CtrlキーとShiftキーを押し
 たままでカーソルキーを使うと単語単位で範囲選択ができます。

 マウスによる範囲選択も、単純に左クリックからのドラッグ以外の方法
 があります。まず、ダブルクリックからドラッグすると単語単位の選択
 になるのが一般的です。また、行の左端をシングルクリックすると1行
 選択、ダブルクリックすると段落選択になったりします。このあたりも
 ソフトウェアによって若干の違いがあるので、自分が使うソフトウェア
 について調べて習熟しましょう。

 ・過去訳などの検索

 翻訳をしていて「前に仕事で出てきたなぁ」と思うことがあります。で
 も、あの仕事だったかこの仕事だったかといちいちファイルを開いてい
 たのではたまりません。そういう場合はgrepという複数ファイルの内容
 を検索するツールを使用します。秀丸などのエディタにはgrep機能が搭
 載されているものが多くあります。grepはもともとテキストファイルを
 検索するものですが、WordやExcel、PDFなどもまとめて検索してくれる
 ソフトウェアがシェアウェアで公開されていたりします(私はKWIC
 Finderというものを使っています)。


 


 ■ 後 記

 最近、ワケ(商売上の打算)あって、太宰治作品の朗読を集中的に聞い
 ています。
 わたしのガサツな人生において、太宰作品はもっとも縁遠い存在でした。
 おそらく(商売上の打算という)ワケがなければ決して触れることはな
 かったでしょう。
 ところが聞いてみるとなかなか良いのであります。
 で、太宰作品の短いフレーズにうなったりしています。

 「子供より親が大事、と思いたい」(桜桃)
 「幸福は一夜おくれて来る」(女生徒)
 「富士には、月見草がよく似合う」(富嶽百景)

 さて、ワケ(商売上の打算)をお知りになりたい方は
 ぜひ↓クリックください
 http://www.nichigai.co.jp/yomikata/shop/dai509.html

             「恥の多い生涯を送って来ました」 (青)
 

■ 仕事としての翻訳                  井口 耕二

 ◆ビジネスの流れ

 ●受注の仕方

 前回、前々回のメールマガジンでは、打診から受注で以下の項目がポイ
 ントになると紹介し、下記の1~4について説明しました。

 1. 自分の翻訳速度を正確に把握しておく
 2. 量が多い場合は減らしてもらう、または断る、という勇気を持つ
 3. 原稿を見て、その難易度と翻訳量を見積もる目を養う
 4. 専門分野を持ち、なるべくその分野の仕事に集中する
 5. 翻訳スピードを高める工夫をする

 今回はその続きです。

 5. 翻訳スピードを高める工夫をする

 限られた時間である程度の量をこなすためにどうしても必要なのが、ス
 ピードアップです。詳しくは別項目でとりあげるので、ここでは、「安
 易にスピードアップだけを狙わないこと」という点だけ頭に入れておい
 てください。

 おいおい、必要なのに狙うなってどういうことだよと思いますよね。

「安易にスピードアップだけを狙う」というのは、翻訳支援ツールなど
 と呼ばれるものを導入し、訳文を考える部分で楽をしてスピードを上げ
 る道のことです。「ステップアップ-大量翻訳者 vs. 高品質翻訳者」
 でも触れましたが、こちらに進むと短期的には収入が増加しますが、高
 い単価をとれる力が身につかず、長期的には収入も頭打ちとなります。
 逆に、品質を追求するためによく考えて訳していると、そのうち、瞬間
 的に判断できる部分が増え、自然とスピードが上がってきます。

 結局、自然にスピードが上がってくるのを待つしかないのかというと、
 そうでもありません。

 頭よりも手がものをいう部分については、ツールの導入やソフトウェア
 の機能活用でスピードアップが図れます。具体的には(↓)の部分です。
 ・辞書引き
 ・文字入力
 ・単語やフレーズのコピー

 今は基本的にビジネスの流れを説明しているところなので、詳しくは別
 項目でとりあげます。

 ●仕事の断り方

「断る勇気を持ちましょう」と繰り返し書いていますが、これに付け加
 えて一言。

「できません」の一言で断らないこと!

 後につながる断り方を工夫しましょう。

 まず、「申し訳ありませんが~……」といった言葉は必須です。あなた
 が断れば、コーディネーターは次の人に連絡しなければなりません。そ
 れが仕事だといえばそのとおりですが、そこはそれ、人間がやることで
 すから気遣いが必要です。

 打診された仕事が分野違いなら、「私はこれこれこういう分野が専門で
 す。今回のお話は分野が違いすぎて難しいと思います」とでもするべき
 です。量が多すぎる場合も、「このくらいの量であれば可能です。分割
 はできませんか?」とか、「納期をいついつにしてもらえれば可能です
 が……」という具合にした方がいいでしょう。

「やる気がある」ことと「こういう条件ならできる」ということをアピ
 ールしておくのが大事です。

 コーディネーターも人の子です。断られても、なんかいい感じの人だっ
 たと思えば、また、声をかけてくれることでしょう。ただし、いったん
 受注して訳文を納品すれば、品質が一番の問題になります。いいものを
 納品しましょう。

 場合によっては、連絡がうまくできないでいるうちに他の翻訳者に仕事
 が行ってしまったり、結局ジョブ自体がなくなってしまったりすること
 もあります。携帯電話へ電話やメールを転送するなどの工夫をしていて
 も、タイミングが悪くて連絡できないこともあります。

 こういう場合も、後のフォローが大事です。フォローを電話でするにせ
 よメールでするにせよ、連絡がとれなかったことの謝罪は必須です。久
 しぶりに連絡してくれた翻訳会社であれば、得意分野などのアピールや
 近況などをさりげなく付け加えるのもいいでしょう。ただし電話の場合
 は相手の様子しだいで臨機応変に。先方がとても忙しい状態なら、要点
 だけでさっと切り上げた方が印象はいいはずです。電話の向こうから伝
 わってくる気配に注意しましょう。

 ●早い者勝ちのジョブマッチング

 コーディネーターが案件に合う翻訳者を選んで打診するという形でマッ
 チングを行うのが普通ですが、最近は、早い者勝ちのジョブマッチング
 も存在します。ウェブサイトにアップロードされたジョブに対し、最初
 に「やる」と手を上げた人のところにジョブが行くという形です。

 多様な仕事の流れがあれば時々に応じて都合のよいパターンを選べるの
 で、多様化は基本的にいいことなのですが……プロの翻訳者として身を
 立てて行くつもりなら、早い者勝ちのジョブマッチングによる受注はな
 るべく早くに卒業することをお勧めします。

 やめた方がいい理由はふたつあります。

 最大の理由は安いこと。少なくとも私が知っているところは、まともに
 食べて行ける単価ではありません。安い仕事を大量にやろうとすれば翻
 訳者として伸びられなくなるということは、くり返し書いているとおり
 です。

 頼む側の立場に立てば、なぜ安いのかすぐに理解できます。誰がどのよ
 うに訳すのかが不確定でわからないかわりに安いのです。「英日で原文1
 ワードあたり3円や5円ならこのくらいでも仕方がないだろう」という満
 足が得られる価格設定だと言ってもいいでしょう。

 もうひとつは、同じ分野やソースクライアントの仕事を続けて蓄積によ
 る品質と実力の向上を狙うことがまずできない点です。仕事を選べばい
 いと思うかもしれませんが、なにせ早い者勝ちですからね。ゆっくり考
 えていたら別の人に取られるのがオチです。


 


「痒いところに手が届く」なんて表現があります。一方、そんな表現は
 ないのですが「痒くもないのに掻きむしられる」ということを経験する
 ことがあります。
 先日も、結果情報を遮断し、夜、女子フィギュアスケートの録画放送を
 見ようと楽しみにしていたところ、駅売店に「真央、銀!!」の大見出
 しが。自分のところの夕刊紙を売りたいという魂胆なのでしょうが、大
 きなお世話です。というよりも金メダルだったならまだしも、そんな新
 聞誰が買うというのでしょうか。
「結果を早く知りたかったら新聞なんか読むか!」「そんな理屈もわか
 らないから衰退するんだ!」 と、掻きむしられた胸が叫びました。
                              (青)


■ 仕事としての翻訳                  井口 耕二

 ◆ビジネスの流れ

 ●受注の仕方

 前回のメールマガジンでは、打診から受注で以下の項目がポイントにな
 ると紹介し、1と2について説明しました。

 1. 自分の翻訳速度を正確に把握しておく
 2. 量が多い場合は減らしてもらう、または断る、という勇気を持つ
 3. 原稿を見て、その難易度と翻訳量を見積もる目を養う
 4. 専門分野を持ち、なるべくその分野の仕事に集中する
 5. 翻訳スピードを高める工夫をする

 今回のメールマガジンはその続きです。

 3. 原稿を見て、その難易度と翻訳量を見積もる目を養う

 原稿は打診の段階で届く場合と受注を決めたあとに渡される場合があり
 ます。いずれにせよ、原稿が届いたらざっと目を通しましょう。分野、
 量、難易度を把握し、納期までに仕上げられるかどうかを判断するので
 す。

 原稿を見ないで受注したときは特に注意が必要です。翻訳会社のコーデ
 ィネーターなら分野や量を正しく把握しているはずだと考えるのは甘す
 ぎます。私の経験でも、「地熱がどうした」というから専門のエネルギ
 ー分野だと思っていたら「温泉地の観光ガイド」だったことや、「環境」
 と聞いていたら「ある化学物質が人体に及ぼす作用」で医学用語のオン
 パレードだったことなどがあります。分量も10%や20%ずれることは珍
 しくありませんし、原稿が紙の場合などを中心に聞いていた量の倍以上
 だったなんてこともあります。

 原稿に目を通してまずいと思ったら、すぐに対応を取る必要があります。
 分野違いは他の人に振ってもらうのが一番です(「環境」→「医薬」の
 ときは、そうしました)。納期も、多少、調整してもらえる場合があり
 ます。

 量については、原稿が電子ファイルならツールでカウントします。Word
 なら、ワードカウントの機能があるので、そこでだいたいのことがわか
 ります。ただし、カウントされるのは本文のみ。テキストボックスや脚
 注など、カウントされないところがある点に注意する必要があります。
 Excelなら対象部分を選択してCtrl+Cでクリップボードにコピーし、Word
 に貼りつけてカウントします。PowerPointは……とても面倒なので、公
 開されているツールを活用しましょう。私は自分で開発して公開してい
 るSimplyTermsのカウント機能を使いますが、CountAnythingというツー
 ルを使っている人も多いようです。

 自分のスピードを仕上がりベースで把握している場合は、原語のワード
 数から仕上がり量を見積もります。英日なら、原語110~150ワードくら
 いが日本語の400字になります。幅があるのは、カタカナ語の多少や文
 体(です・ます、である、など)、自分の文体が簡潔か冗長かなどによ
 って異なるからです。この数値も、自分の場合について把握しておくと、
 あとあと便利です。

 ただ、紙に印刷されている原稿の場合は、ワード数のカウントが大変で
 す。そんなもの、いちいち数えている暇があったら、どんどん翻訳を進
 めた方がいいですよね。

 こういう場合は、えいやぁ、で見当をつけます。

 A4用紙の左端から右端までが1行という形式で英語が書かれている印刷
 物なら、まあ、だいたい、A4 1枚が日本語400字3枚くらい(400ワード
 強)、2段組になっている(A4の左半分と右半分の2段に印刷されている)
 場合は、A4 1枚が日本語400字4枚くらい(600ワード弱)になります。
 また、字が細かいなと感じたら、原文1枚あたり、仕上がり1枚くらい多
 くなります。

 なお、これは図表がない場合です。図表がある場合は、テキスト部分が
 2/3枚……という具合に数えていきます。図表の内部も翻訳するなら、
 テキストの量としてこのくらいと思う量+αと数えていきます。

 こうして見積もった量が聞いていた量とあまりに違い、納期に間に合い
 そうになければ、そう思った時点で翻訳会社などに連絡をいれ、対応を
 相談します。対応方法としては、納期の延長を交渉してもらう、複数人
 にわけてもらう、別の人に振ってもらうなどの方法が考えられます。

 なお分野や分量が違うと翻訳会社に文句を言いたくなりますが、責任は
 ソースクライアントにある場合もあります。原稿がソースクライアント
 から届いておらず、こういう量のこういう案件という話だけで翻訳者の
 手配をしなければならないこともあるからです。ソースクライアントは
 翻訳の専門家ではないので、特に量については間違いがおきても不思議
 はありません。納期が厳しいと数量を少なめに見積もっておき、最後は
「なんとかしてくれ」と無理を通したくなることもあるでしょう。いず
 れにせよ、文句を言っても問題は解決しません。ビジネスライクな対応
 で問題解決をめざすべきです。

 4. 専門分野を持ち、なるべくその分野の仕事に集中する

 同じ分野の仕事をくり返せば知識も言葉も蓄積され、品質と処理スピー
 ドの両方があがってゆきます。逆に分野がばらばらの仕事をしていると
 品質も処理スピードもなかなかあがりません。専門分野を決め、なるべ
 くその分野の仕事に集中しましょう。違いすぎる分野の仕事は断る勇気
 を持ちましょう。

 もちろん、専門をせまく絞れば絞るほど仕事量の確保が難しくなります
 から、そのバランスをみながら調整してゆく必要があります。

 専門分野の重要性や選び方、作り方は過去のメールマガジンで詳しく書
 いていますから、そちらを参照してください。
 


 ■ 後 記

 高校入試直前、次男の制服(ズボン)のファスナーが全壊。兄弟はなぜ
 か弟の方がでかくなるもの。ご多分にもれず我が家でも兄のズボンでは
 急場をしのげない。で、兄経由、兄の友人たちに借用を依頼。たちどこ
 ろに3本のズボンが到着。さすが高校ラガー、心意気が違うと感謝。し
 かし届いた3本、ウエストはぶかぶかだけど丈が短い。どうやら貸して
 くれたのは心優しきスクラム専門職の皆さんだった様子。「でかいし短
 い」と苦情を言うと、「じゃあ腰パンで行け」と兄。 それを聞いて、
 俺はスノボのコクボじゃないと泣き崩れる弟。しかし、困った時には妙
 案が浮かぶもの。そうだ!と黒いズボンを差し出してやると次男にぴっ
 たり。それは新婚だった20年前に購入したオヤジの礼服(ウエストアジ
 ャスター付き)のズボンだった。
 というわけで「腰パン」拒否した、心映えさわやかな次男は無事合格と
 あいなりました。
                              (青)
 

■ 仕事としての翻訳                  井口 耕二

 ◆ビジネスの流れ

 仕事の打診が来た!

 さあ、あとは訳して納品すればいい……とはなりません。その前に受注
 するのかしないのか、その判断をする必要があります。

 ●受注の仕方

 最初は、打診が来ただけでうれしいものですし、断ると声をかけてもら
 えなくなるのではないかという心配もあるため、何でも請けてしまう人
 がいるようです。でも、ちょっと待ってください。

 できもしない仕事を受注すれば、苦しみ抜いたあげく不十分な訳文しか
 提出できません。訳文が不十分だと気づけば、客先納期までの間になん
 とかリカバリーしようと翻訳会社はあたふたすることになります。不十
 分だと気づかず客先に納品すればクレームになるかもしれません。

 私がコーディネーターなら、その翻訳者に2度と声をかけません。分野
 によってはいい翻訳者なのかも知れませんけどね。でも、自分にできる
 かできないかの判断ができない人に仕事を発注するのは、くじを引くよ
 うなものであてにできません。次に新人向けの仕事が発生したら別の新
 人さんに振り、信頼できる人を探そうとするでしょう。

 翻訳などの請け負い仕事は、受注を決めたら仕事の半分は終了です。受
 注する前には、内容、量、納期など、さまざまな条件を勘案し、できる
 かできないか、やるかやらないか、いろいろと考える必要があります。
 不明な点があれば問い合わせや確認もしなければなりませんし、納期の
 ネゴを行うこともあります。最終的に受注を決断すれば、あとは、やる
 と約束したことをやるだけです。

 打診から受注では、以下の項目がポイントとなります。

 1. 自分の翻訳速度を正確に把握しておく
 2. 量が多い場合は減らしてもらう、または断る、という勇気を持つ
 3. 原稿を見て、その難易度と翻訳量を見積もる目を養う
 4. 専門分野を持ち、なるべくその分野の仕事に集中する
 5. 翻訳スピードを高める工夫をする

 これらを念頭に、以下の事項を確認して、受注するかしないかの判断を
 行い、回答します。

 1. 内容  -分野と内容
       (先方が間違っていることあり)
 2. 量   -数量だけ連絡されたときは要注意
 3. 納期  -自分のスピードで間に合うのか
 4. 納品形態-ベタ打ちでいいのかDTP的作業も行うのか
       (+αの時間を見込む必要があるのか)
 5. その他 -図表はタイトルのみか中身までか
       (量のわりに時間がかかることが多い)

 これらの項目について、順番に説明しましょう。

 1. 自分の翻訳速度を正確に把握しておく

 これがわからなければ、納期までに訳し終えられるかどうかわかるわけ
 がありません。できる・できないの判断にどうしても必要なことですか
 ら、時間を測りながら翻訳を行い、自分の速度を把握しておいてくださ
 い。翻訳速度は分野や難易度によって大きく変化します。いろいろな条
 件ではかって頭にたたき込んでおきましょう。

 スピードを測るとき大事なのは、読み直しやファイル修正にかかる時間
 も込みで考えること。600ワードのファイルを4時間で一通り訳したあと、
 読み直しと修正に2時間かかったら、総合スピードは600ワード/6時間=
 100ワード/時です。

  ついでに、原文と訳文の比率(ワード/文字、文字/ワード)も測っ
  ておくとあとあと便利です。

 なお、把握しておかなければならないのは「最低速度」です。「平均速
 度」ではありません。平均速度でぎりぎりという仕事を請けたら、2回
 に1回は納期に遅れる計算になりますからね。最低速度で見積もっても、
 そのとき請けた仕事が今まで以上に時間がかかるもので最低速度記録を
 更新することだってありますが、そのくらいなら睡眠を削るなどして対
 応が可能でしょう。

 スピードに1日あたりの仕事時間をかければ1日あたりの処理量が得られ
 ます。これで案件の全体量を割り、納期と比較すれば、できる・できな
 いの判断ができるわけです。

 仕事として産業翻訳をしたいなら、最低でも英日仕上がり400字で5枚/日、
 原語ベースで600ワード/日くらいのスピードがないと難しいでしょう。
 特に最近は短納期の案件が増えており、新人がじっくり訳して力をつけ
 るのが困難な状況になってしまいました。

 2. 量が多い場合は減らしてもらう、または断る、という勇気を持つ

 自分の処理速度では納期に間に合いそうにない、またはあまりにぎりぎ
 りであるという場合、一部だけを受注して残りを他の人に回してもらう
 か、または、思い切って断る必要があります。

 特に駆け出しのころは断ることが怖く、無理を承知でつい請けてしまう
 ことがあります。でも、納期に遅れれば断る以上に大きなマイナス評価
 となりますし、納期を気にして品質が低下すればこれまたマイナス評価
 となってしまいます。

 翻訳関連の雑誌に、翻訳コーディネーターへのアンケート調査が載るこ
 とがあります。そのとき、翻訳者の善し悪しを判断する主な項目のひと
 つとして必ず登場するのが納期遅れです。やると約束したことはやる必
 要があります。逆に、やれないことをやると約束してはいけないのです。

 断る勇気を持ちましょう。

 

 ■ 後 記

高校受験中の次男(15歳)について驚愕の事実が発覚しました。なんと
彼は英和辞典が引けないのであります。というか正確に申しますとカタ
カナ語のスペルが思いつかないのであります。例えば「ビデオ」。彼の
頭の中で「ビ」は「Bi」なので、 "B" から辞書を引こうとするのです。
ジーニアスで Video を引くのに "B" から始めたとしたら、一体どれく
らい時間がかかるか(それも一種の勉強法かもしれませんが・・・)。

ともかく、受験生次男のため「ヴィデェオのスゥイチィ切って」とフラ
ンキー堺扮する日系人ばりの会話に努める妻と私なのであります。
                              (青)

 ■ 仕事としての翻訳                  井口 耕二

◆ビジネスの流れ

登録がすめば、翻訳会社のコーディネーターから仕事の打診を受ける準
備が完了です。プロの入口に立ったといえます。

●仕事の打診

登録してから初めての打診が来るまで、どのくらいの時間がかかるもの
でしょうか。

登録してすぐに声がかかることもあれば、1年も音沙汰がなかったあと
に突然話が舞い込むこともあります。何年たってもお声がかからないこ
ともあります。登録してすぐ声がかかるというのは、よっぽど優秀だっ
たか、その会社が必要としている分野が専門だったか、はたまた、ホン
トにたまたまというラッキーな場合だったかです。今現在、売れっ子に
なっている翻訳者でも、たいていは「トライアルに合格して登録はされ
たけど、仕事の打診が来ないよぅ~!」という、もんもんとした経験を
しているものです。

なぜ、すぐに打診が来ないのか。仕事を発注する側の立場にたってみれ
ばわかります。

あなたが登録される前も、翻訳会社の仕事は回っていました。すでに登
録されている翻訳者だけですべての仕事が処理されていたわけです。そ
こに1人、登録者が増えた。どうしましょうか。トライアルをしている
とはいえ、実際の仕事でどのような訳文を上げてくれるのかは不明で不
安があります。トライアルはいいのに仕事はボロボロ……そんな翻訳者
もいますからね。あなたに頼みたいと思う理由がなければ、大事をとっ
て「いつもの人」に発注したくなるのが当たり前です。

リスクをとってでもあなたに頼みたいと思うのはどのようなケースでし
ょうか。

「この分野の人が不足して困っていた」というケースなら、その分野の
仕事がきたとき、新しい人に回してみるでしょう。優秀であるなど「こ
の人は絶対、ウチに欲しい」と思う翻訳者だったら、いつもほかの人に
頼んでいた仕事を回してでも新しい人をつかまえようとするでしょう。

もちろん、「将来、翻訳者が不足したらお願いしようかな」のレベルで
あっても、少しずつ仕事を頼んで様子をみておくべきです。発注量を少
なくする、後処理の時間を長めにとるなどの対応がとれればリスクは小
さくできます。逆に言えば、そういう案件がはいってこなければ、新し
い人に発注できません。登録の直後にたまたまそういう案件が飛び込み、
発注してもらえればラッキーということです。

仕事の打診がこないなぁと思うなら、「営業」をかける手もあります。
翻訳会社には、あなた以外にもつぎつぎと登録されていきます。時間が
たてば忘れられるのです。ただし、しつこい営業はかえって嫌われます。
兼ね合いが難しいところです。相手によっても違いますし。トライアル
アンドエラーでやってみるしかありません。

そういう意味では、季節のあいさつを兼ねての営業がいいかもしれませ
ん。特に暑中見舞いはお勧め。お盆時期で「いつもの」翻訳者がお休み
しており、コーディネーターが困っていることがありますからね。営業
を兼ねるのですから、登録されている分野など、発注する側が欲しいと
思う情報は「さりげなく」記載しておきましょう。

近況報告を兼ねるのもいいと思います。「資格試験の上級に通った」
「最近、他社で別分野の仕事をしている」など、登録時と異なる状況が
生まれたとき、ハガキやメールでお知らせするわけです。

媒体は、ハガキとメール、それぞれに一長一短です。

ハガキはちょっと面倒です。特に最近のようにメールが普及すると、紙
媒体に書いてポストに入れるというのはなかなか大変だったりします。
発注につながらなかったとき、反応も期待できません。でもハガキなら、
「こんなの来てるよ~」と翻訳会社の中で回してもらえたり、ハガキを
見ながらコーディネーター同士であなたのことを話してくれたりといっ
た可能性があります。

メールは手軽です。自分にとっても手軽ですし、相手も比較的気軽に返
事が書けます。「こういう分野で登録されていますが、この分野の仕事
は、今、どういう具合でしょうか」などと聞いてみれば返事が返ってく
る可能性もあります。デメリットは、まず、送った相手にしか読んでも
らえないことがあります。かといって同報メールで多くの人に送るのは
スパムに近く、嫌われることがあります。だいたい、その翻訳会社のコ
ーディネーター、全員のメールアドレスを知っているとは限りません。
あなたが知らないコーディネーターのところに、あなたにぴったりの案
件があるかもしれません。もう一つのデメリットは、たくさんのメール
に埋もれて読み飛ばされること。メールは手軽な分、読まなくてもいい
ものまでたくさん届くことがあり、読む必要のあるなしでぱぱっと分け
てしまう人がいます。相手がそのような人であった場合、ごあいさつの
メールは「読む必要なし」側で読み飛ばされることがあるのです。

 ■ 翻訳読書ノート48                  北田 敬子

「アーティストは藝術家」

半世紀以上も倦まず弛まず情熱を捧げ続ける対象を得た人生は幸福であ
ろう。丸谷才一はジェイムズ・ジョイスで大学の卒論を書いてキャリア
をスタートさせ、自身が小説家・文芸評論家となって一家を為し、今ま
たジョイスの新訳を上梓した。ジョイスの好きな「円環」を地でいく。
落ち着いたコバルトブルーの表紙には日本語で、裏表紙には原語でその
堂々たるタイトルが印字されている。『若い藝術家の肖像』(ジェイム
ズ・ジョイス著 丸谷才一訳 集英社 2009)という、このずっしりと
重い(820g!)単行本を取り上げる読者はいかなる人々であろうか。

総ページ数の1.2%(65ページ)は丸谷自身の小説解題である。のみならず
各ページの下段20%は脚注に充てられている。そうでもしないとこの重
層構造を持つテキストを日本語で味わうことが出来ないと訳者は考える
からであり、調べれば調べるほど掘り出されるヨーロッパ文化(とりわ
けキリスト教と古典芸術にまつわる蘊蓄)の奥深さ・幅広さを日本語に
表す方法はないと彼が確信するからであろう。もちろんジョイスの故郷
であり終生作品の舞台となったアイルランド、ダブリンの地誌や歴史に
ついても同様である。ページをめくりながら私は心の内で「これぞ筋金
入りのマニア、正真正銘のオタクだ」と快哉を叫んでいた。

しかし、この本を通勤電車で読むのは苦痛である。(重すぎる。)ゆっ
たりと構え、図書室か自宅の机(食卓でもOK!)に広げるしかない。何
にも邪魔されずに読書に耽溺できるなら、至福の時が過ごせるだろう。
だが、この作品、初見の高校生が楽しめるか知らん? 幼年時代と少年
時代を描くI章、いよいよ性的な懊悩の始まる思春期II章までは文体の
(比較的な)平明さに助けられてスラスラ行くはずだ。III章の地獄の説
教あたりからリタイア組が出るかもしれない。(いや、ダンジョン巡り
だと思えば受けるのかも。)そこを抜け、天命への問いかけ、拒絶、解
放へ至るプロセスはスリリングだろうか。V章の美学論争、哲学・歴史・
民族観などの「問答」はどうだろう。ただ面白いとは言えまい。けれど
も丹念な読書のあげくに最終行にたどり着いたなら、達成と高揚感が得
られること間違いなし。

”A Portrait of the Artist as a Young Man”は”Ulysses”と並んで
ジョイスによる20世紀文学の精華とされている。こうして「新訳」で登
場したかつての前衛的作品は未だ色褪せぬどころか益々面妖にテキスト
の迷宮へと読者を誘う。「導師」の役を買って出る翻訳者、丸谷才一の
いかにもしかつめらしい、そして実はきわめてユーモラスなスタンスが、
この本格的文藝作品に新たな命を吹き込んだ。どうか、返品の上裁断さ
れるなどという多くの良書の運命を辿ることがないように! この翻訳
は我が日本語の財産なのだから。



 ■ Be prepared! ― 「翻訳」の未来           田村 洋一

 西暦2009年から2010年の変わり目で、英語の年号の呼び方が「two-
thousand...」から「twenty ...」に変わります。もう耳慣れてはいて
も変則的な呼び方だったので平常に戻るわけです。映画「2001: A Space
Odyssey」が公開された1968年、日本のSFファンの間で「2001」はどう
読むのかという議論があったことを思い出します。西暦2100年は「two-
thousand one-hundred」ではなく「twenty-one hundred」でしょうから、
次にこの呼び方が復活するのは990年ほど先の西暦3000年からの10年間
ということになります。英語が、さらには文明社会が存続しているとい
う保証はありません。時代を遡ると、西暦1000年のブリテン島はノルマ
ン征服以前で、英語はまだ形を成していません。そう考えると、私たち
はかなり珍しい経験をしたことになります。

 もう少し短いタイムスパンで考えてみると、「翻訳」という仕事がい
つまで存続するのか、という切実な問題があります。私は今後10年以内
に月並みな翻訳(英日/日英などの産業翻訳を含む)は機械翻訳だけで十
分になると予想します。これはパソコン翻訳ソフトの延長線上の話では
ありません。圧倒的な処理能力とコーパスを活用できるWebサービスで
実現すると見ています(現在のパソコンは複雑すぎて無駄が多く、遠か
らず廃れていくでしょう)。社会全体として日本語に対する要求水準が
低下していることも機械翻訳にとってはプラスに作用します。この潮流
を加速する立場にいるのがGoogleです。同社は検索ページで翻訳機能を
提供し、2009年秋からパソコン向けに日本語IME(β版)も提供していま
すが、2010年内に製品化する「Chrome OS」でどんな翻訳機能を提供す
るかは注目に値します。

 「Chrome OS」は「OS」とは言うものの、MS WindowsやMac OSのような
スタンドアロンのOSではなく、インターネットと一体化した、シンクラ
イアントの性格が濃いシステムです。ユーザーが使用する専用コンピュ
ータ(むしろ「端末」)は、ディスプレイとキーボードの他は起動と表示
に必要な最小限の機能しか備えず、「雲」の中にあるサーバーに接続し
て初めてコンピュータとして機能します。原則的に、端末側にはソフト
やデータは保存されません。サービスは世界規模なので、Googleが用意
するアプリケーションは初めから多言語対応を想定したものになるはず
です。この形態が成功するとコンピュータ業界(特にパソコンのハード
&ソフト業界)が深刻な影響を受けることは確実です。

 ところで、「人工知能」が停滞(挫折ではない)した先例を挙げて、
「機械翻訳」も実用レベルに達するには時間がかかると高を括るのは誤
りです。コンピュータの処理能力の飛躍的な向上と検索技術の進歩によ
り、原文の文脈を的確に判断して翻訳精度を向上させることが可能にな
っています。エレガントなアルゴリズムだけに頼るよりも「力まかせ」
の戦略の方が実用的という場合があり、コンピュータはそれが得意です。
Google以外で機械翻訳がほぼ全面的に採用されている実例は、Microsoft
のサポートサイトにある知識ベースの日本語版です。実用に供されてい
るにしては問題の多い日本語ですが、進歩は見られます(※参考リンク)。
原文と比較してみると機械翻訳が苦手な部分がわかります。

 蛇足ですが、翻訳原文にミスや曖昧さがあるという例は少なくないの
で、多言語で文書を作成する企業向けに、翻訳しやすい原文の作成を支
援するソフトを開発するのも翻訳精度を上げる有効な方法と思われます。

 今後、翻訳者は厳しい境遇に置かれる可能性があり、単に外国語が得
意というだけでは生き残れません。安易にカタカナ語に逃げてしまう翻
訳者(クライアントにも責任の一端があります)や、推敲する能力がない
のに翻訳ソフトに頼る翻訳者は、自らの墓穴を掘ることになります。そ
れらの翻訳者は、機械翻訳がもう一歩進めば容易に凌駕されてしまうで
しょう。翻訳者は従来にも増して専門分野を確立する必要がありますが、
時間的・能力的に難しいかもしれません。逆に、それぞれの分野の専門
家が翻訳ツールを駆使して高品質の翻訳を行うほうが理に適っています。
ターゲット言語の優れた表現能力を持つレビューアは存在価値が残りま
す。 ただし、翻訳の腕を磨く機会が徐々に減少するため、翻訳者から
レビューアへのキャリアパスが維持できるかどうかは疑問です。

 それでは人間の翻訳者でなければできないことは何でしょうか。新し
い訳語や表現を考案すること、企業の文書全体のカラーや品位を維持す
ること、文章そのものではなく背景にある文化を訳出すること、などが
含まれます。文章表現そのものを味わう文芸作品は機械翻訳には馴染ま
ないと言われます。しかし、それも聖域ではないかもしれません。今日
のようにWebに膨大な情報があふれているとき、ゆっくりと読書する時
間はとりにくいものです。Amazon.comの「Kindle」に代表されるデジタ
ル読書端末が普及すると、それを利用して「日本語で海外のベストセ
ラーを斜め読みできれば便利」と考えるユーザーが増える可能性があり
ます。「読んだふりをしたい」というニーズは結構あり、しかも正式
の日本語訳が出る前に読めるとなれば、機械翻訳でダイジェスト版を作
ることは現実的な課題になります。海外の新聞記事の日本語訳はさらに
需要が多く、機械翻訳にも馴染みやすいものです。

 「翻訳者」は、かつての「プログラマ」(正確にはソフトウェア技術者)
の轍を踏むことになるのでしょうか。30年ほど前のメインフレーム全盛
時代、コンピュータ業界では「プログラマ不足」が叫ばれました。将来、
数十万人が足りなくなるという主張でした。ところがオープン化とパソ
コンへのシフトという状況の変化により、人手不足は現実には起こらず
(ただし、優秀な人材は常に不足)、現在はソフトウェアの自社開発その
ものが減少し、基幹業務でも出来合いのソフトウェア・パッケージを導
入する(必要ならカスタマイズを行う)のが普通になっています。日本の
プログラマは質・量ともにピーク時より低下していると考えてよいでし
ょう。膨大な開発作業をこなしてきた世代は、ほとんどが定年に達して
舞台を降りました。主要なソフトウェア製品は相変わらず外国製(大半
が米国製)で、日本には足腰のしっかりした(ゼロから開発できる能力の
ある)プログラマが育つ素地がほとんどありません。概して、確たる設
計思想もなく、すぐに見つかるバグを見過ごし、動けばよいというレベ
ルで満足しているようにさえ見えます。ソフトウェア開発者の就労時間
は不規則、著作権は尊重されず、職能団体もありません。どこか翻訳者
の状況に似ているのではないでしょうか。

 ■「山本ゆうじの翻訳道具箱」(その62・最終回)
                 英語力向上に大切なのは「やる気」と「気合い」だ!

忘年会やパーティーの季節ですね。英語が話せる人たちのパーティーに
時々参加しますが、英語ネイティブと日本人の間には、しばしば見えな
い壁があります。またCNN、NPR、BBCなどの英語ニュースで、非英語ネ
イティブ話者へのインタビューを聞いていて思うことがあります(ちな
みに日本人はほとんど出ません)。発音に癖はあるものの、語彙力や表
現力は、「英語ができる日本人」よりは数段上だなあ、ということです。

英語を学ぶ上で一番大切なものは、なんでしょうか。それは「やる気」
です。先日、英語教育の大先輩にご意見を伺ったところ、同じ答えが得
られたので、確信が深まりました。最終回の今回は、「やる気」、そし
て「気合い」について考えます。

どのような学習・教育でも、主体になるのは常に、「教える」側ではな
く、「学ぶ側」です。努力したい気持ちは、自分の内側からわき上がる
ものでなければなりません。外から努力を強制されるのであれば、その
外圧がなくなったとたんに進歩は止まります。

私が日本の中学・高校で見たのは、生徒を押さえつけ、やる気をつぶす
教育です。英語を含め、「学びの喜び」が教室ですっかりはぎ取られ、
大学に入学するころにはぼろぼろになっている、ということです。学ぶ
本人に原動力がなければ、学びは苦痛でしかありません。英語の楽しさ
を伝えるのが、教師の使命のはずです。英語教員自身が英語の楽しさを
知っていれば、日本人の英語力がここまで低迷することはなかったはず
です。生徒のやる気、自ら学ぼうとする意欲を引き出せれば、教員の仕
事は楽になるはずです。もっとも、英語教育を停滞させている根本的な
原因は、大学入試の仕組みです。大学入試が根本から見直されない限り、
日本人は英語が苦手なままでしょう。

それはともかく、今英語を学んでいる人には、英語学習を生活に取り込
み、「習慣化する」ことが大切です。私の場合は、英語の映画や海外ド
ラマは必ず英語で聞くこと、毎日、食事や移動中にポッドキャストを聞
くことが習慣になっています。習慣、ということは意識して努力しなく
ても自然に続けられる、ということです。問題は、習慣化するまでやる
気を維持できるか、ということになります。

外国語の学習は、永遠の片思いです。決して満たされることはありませ
んが、どうすればやる気をつぶさずに、長続きさせられるでしょうか。

まず具体的で明確な目標を設定することが、やる気を維持するには大事
です。TOEICや英検でもいいでしょう。Versant
 http://www.versant.jp/test_content.html#03
という、日本人が苦手な、スピーキングを主体とした試験もあります。
発音の正確さや反応速度が評価されます。英会話に自信のある人には特
にお勧めです。同時通訳の需要から分かるように、人間はどうもせっか
ちなようで、ゆっくりした会話は耐えがたいようです。会話の内容はも
ちろんですが、反応速度が遅いと取り残され、実際の会話についてゆけ
ません。反応速度は、パーティーなどでの英会話で「トルネード英会話」
 http://tran.blog.shinobi.jp/Entry/464/
を実践するには必須です。

ただ、パーティーで外国人に話しかけるには、やる気に加えてある種の
思い切り、「気合い」が必要でしょう。これは、リスニングよりも、単
語や文法の暗記などよりも、2000倍くらい重要です。逆に、この「気合
い」がないと永遠に語学は進歩しないと断言できます。「遠慮」をして
せっかくのチャンスを逃している人を見ると、「もったいないな」と思
うと同時に、「かわいそうだけどこの人はこれ以上、上達しないな」と
思うのです。私自身も昔はそれほどパーティー好きでもありませんでし
たが、今ではリラックスして楽しむ余裕ができました。それは、意志が
通じたコミュニケーションの小さな喜びが積み重なって、次のやる気に
つながっているからでしょう。未知の価値観に対する好奇心はだれしも
持っているはずです。パーティーで英語を話せそうな外国人がいれば、
ちょっとだけ勇気を出して話しかけてみてください。彼らもきっと話し
相手を求めています。

次に、英語で楽しいこと、夢中になれることを常に見つけるようにしま
しょう。それさえできれば、やる気は続きます。好きな映画、海外ドラ
マ、歌手、小説、自分の専門分野など、探せばいくらでもあります。
NHKの語学番組が美男美女を起用するのは、正しいやり方です。

また、自分のレベルと違いすぎる内容ばかりをむりやり詰め込むのはよ
くありません。とはいえ、楽に読め、聞きとれる内容ばかりでも上達し
ないでしょう。楽にこなせる内容と、少し高度な内容の両方をバランス
よく吸収することが大切です。

まだご紹介したいことはたくさんあるのですが、2003年10月24日から62
回、6年にわたって書かせて頂いたこのコラムも今回が最後です。他の
連載陣の皆さまのコラムのバックナンバーも以下から読めます。この機
会にチェックされてはいかがでしょうか。
 http://www.tranradar.net/column/index.html

長い間、ご愛読ありがとうございました。またどこかでお目にかかりま
しょう。良い年をお迎えください!
 ■ 仕事としての翻訳                  井口 耕二

◆仕事の始め方

●契約書

登録時に提出する書類の中に「契約書」がある場合もあります。

◎業務委託契約書

翻訳会社から翻訳者への発注は翻訳業務の委託ということになるので、
業務委託契約書を結んでおくのが本来あるべき姿です。現実にはその
ような書類が用意されていないことも珍しくないのですが。

「お願いします」「分かりました」という口頭の約束でも法的には契約が
成立しますし問題がないときはそれでいいのですが、万が一、何か問題
が起きたとき言った・言わないの話になってもめないように作っておく
のが契約書です。契約を締結というとすごいことのようですが、実は意
外なほど当然のことしか書いてありません。

契約書というのは契約当事者、両者が取引について合意した内容を書く
ものなので、本来は、両者が話し合って内容を詰めてゆくものです。た
だ、現実には、各翻訳会社が用意しているものに翻訳者がサインすると
いう形が一般的です。

形式は、普通、契約当事者、両者について、それぞれが履行すべき義務
と相手に要求できる権利を列挙する形になっています。長さは1ページ
の簡単なものから10ページ超の詳細なものまで、会社によって異なりま
す。

簡単なものがいいわけでも、詳細なものがいいわけでも特にありません。
ポイントは「両者について」という点です。発注時には翻訳会社がきち
んと指示を出す、翻訳者は納期までにきちんと仕上げて納品する、翻訳
会社は納品から一定期間内に検収し、さらに一定期間のうちに支払いを
するなど、両者の義務が明記されていることが大事です。義務を履行で
きない場合のペナルティも双方について規定してあるべきです。ただ、
契約当事者の片方が作る契約書というものは、作る側に有利な内容にな
りがちです。ひどい場合は、翻訳者の義務と翻訳会社の権利だけがずら
っと並んでいるものもあります。

不公平な契約だと思えば、内容の修正をお願いしましょう。念のため翻
訳者仲間に相談する、できれば市役所などで行われている無料の法律相
談でいろいろと確認するなどしてから翻訳会社との交渉にはいるほうが
いいでしょう。

交渉しても、どうにも納得できない内容にしかならない場合は契約を見
送ることをお勧めします。翻訳者をパートナーだと考えていれば公平な
内容になりますし、顧問弁護士に契約内容を確認してもらうだけでもそ
こそこ公平な内容になります。不公平な契約書を出してくるということ
はそのいずれでもないわけですし、交渉しても不公平が解消されないと
いうことは翻訳者をパートナーと認識していないことの証拠だと言って
もいいでしょう。世の中に翻訳会社は山のように存在しますし、公平な
内容の契約書を用意しているところもたくさんあります。さっさと次を
探しましょう。

◎守秘義務の契約書・宣誓書

業務委託契約書のほかに、守秘義務を規定した契約書や宣誓書も用意さ
れていることがよくあります。翻訳の仕事は一般公開前の情報が含まれ
ていることが多く、それが漏れるとソースクライアントに大きな損害が
発生することもあるからです。

題名が「契約書」でも「宣誓書」でも、法的には「契約書」です。守秘
義務の場合、ほとんどが受注側の義務となるため、宣誓書という形を取
ることがあるだけのことです。

こちらもポイントは「公平か」という点です。

業務委託契約書はそれなりにきちんと作っている会社でも、守秘義務の
契約書や宣誓書は片手間で作るのかひどい内容になっていることが珍し
くありません。たとえば、(↓)のようになっていたりします。

  ・当社から渡すものすべてが機密情報である
  ・案件終了後も守秘義務は継続する
  ・機密情報漏洩で損害が発生したら翻訳者が責任を負う

この内容には、(↓)の問題点があります。

  ・渡されたとき公知のもの、渡されたあと公知になったものにも守
      秘義務が発生する
  ・翻訳会社やソースクライアント、あるいは第三者から機密が漏洩
      しても翻訳者が責任を負うことになる

この点について問い合わせると、「公知のものに守秘義務はないし、翻
訳者以外が機密を漏洩した場合に翻訳者が責任を問われることはない。
常識で判断して欲しい。(だからこのままサインすればいい)」という
回答が返ってきたりします。

そういう回答で納得あるいは安心してサインなどしないように。最初に
書いたように、契約書というのは当然のことを書いておくものなのです。
逆に言えば、当然のことなら契約書にそう書けばいいだけのこと。それ
を書かないのは裏の意図があると疑われても仕方がないと言えます。だ
いたい、「常識で判断」すればいいのなら守秘義務の契約書や宣誓書な
ど不要です。翻訳の仕事をすれば守秘義務があるのは常識ですからね。
そういう話をしても修正に応じないようなところがあれば契約せず、
別の取引先を探すことをお勧めします。

◎契約書の活用方法

契約書についてのあれこれ、なんだか面倒だなと思われたかもしれませ
ん。面倒といえば面倒ですが、別の見方もあります。

どのような契約書を作っているかで、取引先が翻訳者をどう位置付けて
いるのかなどがわかるわけです。一方的な契約書を作るところは、だい
たい取引も一方的です。契約書なんて建前ですから、契約書が公平でも
取引関係のやりとりが一方的なところはありますが、建前を取りつくろ
うことさえしていなければ論外と思ってまず間違いないでしょう。契約
書の内容や契約締結時の交渉というのは、自分が取引すべき相手かどう
かを見極める一助となるわけです。

取引先を選べる、こことは取引したくないと思えば断れるというのがフ
リーランス翻訳者の特権です。その特権を活用し、仕事のパートナーと
して翻訳者を見てくれるところを探して取引することをお勧めします。


 ■ 翻訳読書ノート47                  北田 敬子

「亜大陸の白虎」

評判の映画を見逃すと、DVDとなりレンタルが始まるのが待ち遠しい。
最近漸く『スラムドッグ・ミリオネア』を見た。スラム育ちの若者がテ
レビのクイズ番組で全問正解し、大金を手に入れる話と言えば単純化の
しすぎだが、まさに天から垂れた一縷の糸にすがって地獄を脱出するよ
うなスリルと光明を感じさせられるドラマだった。複雑なインド社会の
一端を描く卓抜な作品といえよう。しかし、更に深くその世界に踏み込
むことを望む人に、『グローバリズム出づる処の殺人者より』(アラヴ
ィンド・アディガ著 鈴木恵訳 文藝春秋社 2009)は恰好の小説であ
る。

題名の通り、これは書簡体モノローグである。田舎町の車夫の息子が、
運転を習い覚えるチャンスを得て資産家の運転手に雇われ、インド社会
の闇と光を召使いとして観察する。屈辱的経験を重ねた末、殺害した主
人から奪った金を元手に起業家として成り上がり、訪印する中国首相に
宛てて社会構造、家族制度、カースト制、伝統的価値観とその変化、都
市と田舎、豪邸とスラムなど、インドの実像を克明に解説するという趣
向だ。気鋭のジャーナリストである著者の描写はディテールまで鋭い。
民主主義的選挙の実態(賄賂、饗応、不正投票など)をはじめ、都市に
建設の進む高層マンションの内部(地方豪邸の台所面積にも満たないフ
ラット、召使い専用の地下室のありさま、肥満した金持ちのランニング
の滑稽など)と足下の建築現場の汚濁、また人命のとてつもない軽さ
(轢き逃げ事故、結核死、報復による惨殺など)、いわゆる先進国のお
上品な常識の理解を遙かに超えている。

これは過去の歴史物語なのか、それとも最新の現代小説なのか。その答
えは紛れもなく後者だろう。前述の映画で、スラムに育つ主人公は躊躇
いなく糞壺に飛び込んだ。この小説で、主人公は囚われの「鶏籠」から
抜け出す。ジャングルで一世代にたった一頭しか現れないホワイト・タ
イガー(白虎)との自負あるいは妄想を胸に、託された幼い甥以外すべ
ての係累を犠牲にしても、使用人や奴隷としての人生と決別する。たと
えそれが殺人の上に成り立つものであったとしても。彼は光の世界を牛
耳るものたちが人殺しと無縁だとは思っていない。皆、誰かしらを踏み
つけて特権を得たことを熟知している。だから、現代の「罪と罰」に応
報の必定は描かれない。

インドをカースト制度と家族の絆に縛られた究極の格差社会と断定する
のはもはや旧来の偏見にすぎないのかもしれない。だが、内側にあって
その実情を丹念に描写する文章を読むと、所詮フィクションと侮れない
リアリティーの充満に圧倒される。インド・中国いずれかが近未来にア
ジアの覇者となるのか否か、映画や小説から想像できることは多い。台
頭する世界のパワーを見誤らず読み解くことが、日本語の読者にも必須
と確信させられた。

 ■ 後 記

2009年の私を振り返ります。振り返りますと、どうもバカバカしさが大
いに足りなかったという反省点がまず頭に浮かびます。はっきり言って
守りに入っていました。こんなバカなことを言っては、本当にバカだと
思われるのではないか、と。
本当にバカなのになにをかいわんやです。
というわけで、2010年のテーマは「バカバカしさへの回帰」です。
ご期待ください。

といいつつ、年内、もう一回配信します・・・
                              (青)

 ■ 仕事としての翻訳                  井口 耕二

◆仕事の始め方

●登録

トライアルに合格すると「登録」です。登録翻訳者のデータベースにあ
なたのことを書いたページが追加されるわけです。コーディネーターさ
んが仕事を振る相手をさがしてパラパラめくっているとき、あなたのこ
とが目に留まれば、晴れて仕事の打診がくる、となります。

登録手続きは翻訳会社によって異なります。

一番多いパターンは、送られてきた登録用紙に必要事項を記入して返送
するというものでしょう。改めて書類を提出することのない翻訳会社も
あります。面接します、という翻訳会社もあります。私は、面接なしの
ところでも、「登録手続きを兼ねて訪問します」と訪ねていきます。ホ
ンネは、敵情視察を兼ねて、です。

面接では、登録用紙に記載する内容を話し合いで決めていきます。特に、
分野とレートは、お互いに話をしながら書き込んでおいた方がなにかと
いいはずです。そのときの応対から、その翻訳会社が強いのはどの分野
であるのか、ある程度はわかるからです。逆に翻訳会社は、面接中、翻
訳者の性格や人間性などを知ろうとすることでしょう。

登録用紙の内容は、名前や住所など、「履歴書に書いてあるからわかっ
てるだろうがぁ」と思ってしまう内容も多いのですが、これはまあしか
たがないでしょう。履歴書から登録用紙への転記もたくさんになると大
変ですからね。

◎得意分野や専門分野

得意分野や専門分野は必ず聞かれます。前にも書きましたが、あらかじ
め考えて決めておきましょう。

ポイントは、「今後、得意分野や専門分野としてやっていこうと心に決
めている分野は何ですか?」と聞かれたと思って明確に答えること。
「いや~、わたし、これから仕事を始めるわけでぇ……まだ、実際の仕
事としてやったこと、ありませんしぃ……一応、○○をやりたいとは思
ってるんですがぁ……でもぉ……」みたいなことは間違ってもやらない
ように。面接している方は、「アンタにどういう分野の仕事を振ったら
いいのかわかんないだろうがぁ。もう知らん!」と思ってしまいます。

得意分野や専門分野以外でも、これからのことを聞かれたときには、み
んな、「どうしたいと思っているのか」を聞かれたと思ってはっきり答
えるべきです。

記入して送り返す場合も、空欄にしないで必ず記入しましょう。

◎レート設定

レートの設定は、いろいろと微妙で難しい問題です。

まず、一般的なレートをムック本などで調べておきましょう。記事によ
っていろいろな値が出ています。業界として決まった値があるわけでは
なく、分野によって、実力によって、そして翻訳会社の台所具合によっ
て、それなりの幅で違いがあるからです。あくまで「目安」であること
に注意しつつ、だいたいの値を頭に入れておきましょう。

翻訳会社の台所具合というのは、安く売っているところだと翻訳者への
支払いレートも安くなるなどの話です。このような翻訳会社の場合、
レートを高めに設定すると仕事があまりきません。もちろん台所具合が
どうであれ、料金は安めの方が仕事はもらいやすくなります。しかし、
レートを途中から値上げするのはいろいろと難しく、最初に安すぎる設
定にすると収入が増えません。最終的には自分の収入を増やしたいわけ
ですから、レートをあまり安く設定してしまうと、自分のクビを絞める
ことになります。

初めてトライアルに合格したような場合には、先方の言い値でもしかた
がありません。ただ、調べておいた相場と比較してあまりに安い場合は、
その理由などを聞いてみることをお勧めします。「いや~、これが相場
ですよ」と言われるようなら、なるべく早く他の受注先に乗りかえる努
力をすべきでしょう。相場を知らずにビジネスをしている翻訳会社なん
て危なっかしくてしかたありませんし、相場を知った上で相場よりも安
いレートを相場だと言ってくるようなところでは翻訳者を大事にしてく
れるはずがありませんから。

経験者の場合、既存の取引条件と比較してどうかということも気になる
でしょう。今までの取引価格よりも安いレートを提示されたら、「他社
からはXX円をいただいているのですが……」と言ってみる手がありま
す。あっさり「じゃあ、同じレートで行きましょう」となる場合もあり
ますし、「当社ではこれがいっぱいです」と断られることもあるでしょ
う。

この交渉でベースとなるのがトライアルです。「あのトライアルであれ
だけの訳文を出せる翻訳者は少ないでしょ?」「あのトライアルであの
訳文じゃ、○○円以上では買えません」とやりあって落としどころを探
すわけです。もちろん、翻訳者も翻訳会社もはっきりそう口にするわけ
ではありませんが、要はそういうことなのです。経験者だからトライア
ルなしでとなれば、翻訳会社としては安めのレートに抑えておかないと
怖いことになります。安いレートならまだしも、高いレートで仕事をだ
してボロボロの訳文が返ってきたりしたら悲惨ですからね。

翻訳者としては自分の実力にみあう範囲でギリギリ高いレートを翻訳会
社から引き出したいわけですが、そのとき一番の交渉材料となるのがト
ライアルです。だから私は、トライアルをしてくれと頼むことにしてい
るわけです。

トライアルを出したら、「この程度ではこれが限界」と安いレートしか
提示されなかったら……その翻訳会社にとって自分の価値はそれだけだ
ということです。翻訳会社によって強い分野は異なりますし、今、どう
いう翻訳者が欲しいのかも異なります。評価基準だってまちまちです。
同じ翻訳に対し、A社、B社、C社がまったく違う値段をつける。そん
なものです。安いレートしか出てこない場合、それでもいいから登録す
るか、XXでなければやらないと突っぱねる(そして次をあたる)かは
あなたの選択になります。取引条件の交渉なのですから、ビジネスライ
クに行きましょう。なお、言葉遣いはあくまで丁寧に。

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